『Tシャツが乾くまで』第7話では、宮内があずさの日記を樹生へ渡す場面が大きな引っかかりを残しました。
以前にほかの私物を返していたのに、なぜ日記だけ約1年間も手元に残していたのか、しかも宮内自身が先に内容を確認していたとなると、「今さら渡すの?」と違和感を覚えるのも自然です。
一方で、樹生があずさの知らなかった一面を受け止められる時期を待っていた可能性や、日記という極めて私的な記録をすぐ渡すことに迷っていた可能性も考えられます。
ただ、第7話までの時点では、宮内が返却を遅らせた詳しい理由は明かされていません。
日記の内容まで整理すると、宮内の行動が単なる気遣いだったとも、単なる不自然な展開だったとも簡単には言い切れないことが見えてきます。
この記事でわかること
- 宮内が日記を約1年間持っていた経緯
- 日記をもっと早く返すべきだったのか
- 宮内が今になって渡した理由として考えられること
- あずさと充の関係を日記からどう受け取れるのか
第7話で宮内があずさの日記を渡すまでの経緯
※第7話までのネタバレを含みます。
第7話では、充があずさとの「第3金曜日」について語り始める一方で、樹生は古書店を訪れ、宮内からあずさが残した日記帳を受け取ります。
事故から約1年が経っているため、「なぜ今まで宮内が持っていたの?」と引っかかった人も多いはずですが、まずは宮内とあずさの距離感、そして日記が渡されるまでに起きていたことを整理すると、この場面の見え方が少し変わってきます。
宮内はあずさの古書店での理解者だった
宮内は、あずさの勤務先だった古書店を営む人物という立場にとどまらず、あずさが家庭では見せていなかった一面を知る人物として描かれてきました。
第3話では、宮内があずさの荷物を樹生のもとへ持って行き、その中から水族館のチケットが見つかったことで、樹生が知らなかった行動が浮かび上がります。
さらに宮内は、あずさが夫には話しにくいことを自分に打ち明けていたことも明かしており、樹生が知る「あずさ」と宮内が知る「あずさ」には違いがあったことが示されていました。
そのため宮内は、勤務先の責任者として持ち物を預かっていただけではなく、あずさの気持ちや秘密にも触れていた人物だったと受け取れます。
日記だけが約1年間宮内の手元に残っていた
気になるのは、宮内があずさの荷物を以前すでに樹生へ届けているのに、日記帳はそのとき一緒に渡されていなかったことです。
第5話では事故からもうすぐ1年という時期まで物語が進み、第7話になって宮内がようやく日記を樹生へ差し出しました。
つまり日記の存在に気づかないまま長く放置していたというより、宮内の手元に残された状態が続いていたことになります。
しかも日記を渡す場面での宮内の言葉からは、「今なら渡してもよい」と本人なりに時期を選んでいたことがうかがえます。
ただし、なぜその判断に約1年を要したのかについて、第7話の時点でははっきりした説明までは示されていません。
日記には樹生が知らなかったあずさの本音が記されていた
日記が重要なのは、充の説明だけでは分からなかった「あずさ側の気持ち」を確認できる材料になっているからです。
第7話では、あずさがコインランドリーで充と出会ったことや、その後も第3金曜日に会うようになった経緯が、充の回想だけでなく日記を通しても描かれていきます。
そして見えてくるのは、単純に「何もなかったから安心」という話ではなく、あずさが充を自分にしか理解できないかもしれない相手として意識していたという、樹生にとって簡単には受け流せない内面です。
肉体的な関係の有無だけでは整理できない特別なつながりがあったからこそ、日記を読むことは樹生にとって、妻の知らなかった部分と向き合うことにもなりました。
そう考えると、第7話の日記は単なる謎解きの道具ではなく、「夫婦だから相手のすべてを知っているとは限らない」ことを突きつける役割も持っていたと読み取れます。
宮内が日記を1年後まで返さなかったのは非常識?
宮内の行動に引っかかる最大の理由は、あずさの持ち物を返す機会が以前にあったにもかかわらず、日記だけは長く手元に残していた点です。
しかも第7話では、偶然しまい込んで忘れていたという雰囲気ではなく、宮内自身が時期を見て樹生へ渡したように描かれています。
あずさの事情をよく知る宮内なりの配慮だった可能性はありますが、樹生からすれば、自分の知らないところで妻の日記を保管されていたことに複雑な気持ちを抱いても不思議ではありません。
遺品を遺族に知らせず保管した点には疑問が残る
第3話では、宮内が古書店に残っていたあずさの私物を樹生の家へ届け、樹生がその荷物を確認する中で水族館のチケット2枚を見つけています。
つまり宮内には、あずさの持ち物を樹生へ返す機会がすでにありました。
それにもかかわらず日記帳だけが後から登場したため、「ほかの荷物と一緒に渡せなかったのだろうか」という疑問が生まれるのは自然です。
とくに日記は、あずさが何を考えていたのかを知る手掛かりになるだけに、樹生に存在すら伝えないまま宮内が保管を続けた判断には引っかかる部分があります。
一方で、日記は単なる日用品とは違い、本人の本音や人に見せるつもりのなかった内容まで含み得るものなので、すぐ遺族へ渡すことだけが唯一の対応だったとも言い切れません。
宮内が返すタイミングを自分で決めていたことがポイント
第7話の受け渡し方を見る限り、宮内は日記を見つけた直後に機械的に返したのではなく、樹生へ渡す時期を自分なりに考えていたように受け取れます。
ただ、なぜ今なら渡してよいと判断したのか、その理由までは明確に語られていません。
宮内は以前から、樹生が知っているあずさの姿だけが彼女のすべてではないと感じさせる言動を見せていました。
そのため、あずさの別の一面まで受け止められる状態になるのを待っていた、という見方はできます。
もっとも、それは宮内の行動を説明する一つの読み方であり、あずさの夫である樹生に知らせないまま保管し続けてよかったのかという疑問まで消えるわけではありません。
日記を早く渡していれば樹生の苦悩は減ったのか
日記がもっと早く樹生の手元に渡っていれば、充とあずさの関係について分からないまま想像を膨らませる時間は、今より短くなっていた可能性があります。
ただし、日記を読めば樹生がすぐ安心できたとも言い切れません。
第7話で浮かび上がったのは、充とあずさの間に単純な言葉では整理しにくい精神的な結びつきがあり、あずさが夫には見せていなかった感情を抱えていたことでした。
樹生にとっては、疑いが消えるというより、これまで知らなかった妻の内面を新たに突きつけられる形にもなっています。
早く日記を読めばすべて楽になったとは限らないものの、知る時期を宮内が一人で決めていたことには、やはり大きな違和感が残ります。
宮内はなぜ今になって日記を樹生へ渡したのか考察
日記を渡す時期について、宮内本人から詳しい理由は語られていないため、一つの答えに決めることはできません。
ただ、これまでの樹生の変化や、宮内が知っていたあずさの一面を重ねると、「約1年後だったこと」に意味を持たせた読み方はいくつかできます。
同時に、人物の心情だけではなく、第7話であずさの内面を明かすための物語上の配置だった可能性も分けて考える必要があります。
樹生があずさの本音を受け止められるまで待った可能性
宮内が日記をすぐ渡さなかった理由として考えやすいのが、樹生の心境が変わるのを待っていたという見方です。
以前の樹生は、自分が知っている妻の姿を基準にしてあずさの行動を理解しようとする傾向があり、宮内はそんな樹生に対して、あずさには夫へ話していないこともあったと伝えていました。
ところが時間がたつにつれ、樹生はあずさが充に一方的に連れ出されたと決めつけるのではなく、あずさ自身の意思で同行した可能性まで考えるようになります。
宮内から見れば、その変化によって、日記に残された「あずさ本人の言葉」を以前より落ち着いて受け止められる状態になったように映った可能性があります。
第7話で宮内が今なら渡せそうだという趣旨の言葉を添えていることも、この読み方とつながります。
もっとも、宮内が実際にそこまで考えていたとは作中で説明されていないため、あくまで描写から考えられる一つの可能性です。
あずさのプライバシーを守ろうとしたという見方
もう一つ考えられるのが、宮内が日記を単なる忘れ物ではなく、あずさの極めて個人的な記録として扱っていた可能性です。
あずさは宮内に家庭では話しにくいことを打ち明けていたため、宮内は樹生が知らない彼女の一面があることを以前から知っていました。
その立場からすると、夫婦であっても相手の内面をすべて知る権利が当然にあるわけではない、と宮内が考えていたとしても不思議ではありません。
日記には充との出会いや、樹生には見せていなかった感情も記されていたため、あずさの本音をどこまで樹生へ渡してよいのか迷っていたという読み方もできます。
ただし、宮内がプライバシー保護を理由に保管していたと説明する場面は確認できません。
それに、本人の気持ちを尊重したかったとしても、日記の存在を知らせず宮内自身が保管時期を決めていた点には、やはり疑問が残ります。
第7話まで謎を残すための物語上の構成という見方
人物の気持ちとは別に、ドラマの構成を考えると、日記が第7話で登場したことには大きな役割があります。
第7話では、充が第3金曜日に何があったのかを語るのと並行して、樹生が日記を読み、あずさ側の気持ちにも触れていきます。
これによって、充だけの説明をそのまま受け取るのではなく、二人が同じ時間をどのように感じていたのかを別々の角度から確かめられる形になっています。
もし日記がもっと早い段階で樹生に渡されていれば、あずさと充の関係をめぐる多くの疑問も早くほどけていた可能性があります。
その意味では、日記を第7話まで登場させなかったことが、物語の謎とあずさの本音を同じタイミングで明かすための構成だったという見方もできます。
ただ、これは作品の組み立てから読み取れる考え方であり、宮内が約1年間保管した理由として作中で明示されたものではありません。
日記をめぐる第7話で気になる3つのポイント
宮内が日記を約1年間保管していたことだけでも驚きますが、第7話を振り返ると、それ以外にも引っかかる部分があります。
とくに、宮内が先に内容を確認していたことや、日記を読んでも充とあずさの関係を単純に白黒で分けられない点は、見逃せないポイントです。
さらに、第7話の時点では宮内が返却を遅らせた理由が説明しきられていないため、この先の描写で補われるのかも気になります。
宮内が日記を先に読んでいたことはどう考える?
第7話では、宮内が日記の内容をすでに確認しており、樹生を大きく動揺させるようなことは書かれていないという趣旨の話をしています。
つまり宮内は、日記を預かっていただけではなく、あずさのかなり個人的な記録に先に目を通したうえで、いつ樹生へ渡すかまで判断していたことになります。
あずさと親しく、家庭では言いにくい話も聞いていた宮内だからこそ内容を確認した、と受け取ることはできます。
ただ、親しい間柄だったことと、本人の日記を自由に読んでよいことは別なので、この行動に抵抗を感じる人がいるのも自然でしょう。
しかも宮内は、内容を確認したあとすぐ樹生へ渡していないため、善意だったとしても、あずさと樹生の間にある情報を自分の判断で管理していたようにも見えます。
日記で「あずさは不倫していなかった」と言い切れる?
日記と充の話を合わせても、二人に恋愛関係や肉体的な関係があったとは第7話で明かされていません。
その一方で、二人は毎月第3金曜日に会い、家庭では言えない気持ちや弱さを共有する特別な関係になっていました。
あずさの日記からは、「充を理解できるのは自分だけかもしれない」というほど、彼を特別な存在として意識していたこともうかがえます。
そのため、一般的に想像される男女関係ではなかったとしても、配偶者から見れば心の距離が近すぎると感じる関係だったとは考えられます。
第7話で咲子や樹生が簡単に気持ちを整理できなかったのも、何もなかったと安心できる話ではなく、むしろ自分には見せてくれなかった本音を別の相手とは共有していたと知ったからでしょう。
宮内の行動に明確な理由が今後示される可能性はある?
第7話までに確認できる範囲では、宮内がなぜ日記を約1年間渡さなかったのかについて、本人から詳しい説明はありません。
8月28日放送予定の第8話では宮内も再び登場する予定ですが、事前に公開されているあらすじでは、日記を保管していた理由が明かされるとは示されていません。
そのため、この先で宮内の考えが改めて描かれる可能性は残っているものの、現段階では確定した理由として扱うことはできません。
樹生が受け止められる時期を待ったのか、あずさの秘密を守ろうとしたのか、それとも第7話で日記を登場させるための物語上の配置だったのかは、まだ複数の見方ができる状態です。
だからこそ宮内の行動には、「気遣いだった」と受け取れる部分と、「そこまで宮内が決めてよかったのだろうか」と引っかかる部分が同時に残っています。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 第7話で、樹生は宮内からあずさの日記帳を受け取りました。
- 宮内はそれ以前にもあずさの私物を樹生へ届けており、日記だけが後まで手元に残っていました。
- 宮内は日記の存在を忘れていたというより、自分なりに渡す時期を選んでいたように受け取れる描写があります。
- ただし、なぜ約1年後まで渡さなかったのかについて、宮内本人から詳しい説明は示されていません。
- 日記には、あずさと充が毎月第3金曜日に会い、互いに本音を話せる特別な関係になっていたことが記されていました。
- 第7話までの内容では、あずさと充に肉体的な関係があったとは確認されていません。
- 一方で、あずさが充を強く意識していたことは読み取れるため、樹生が簡単に安心できる内容でもありませんでした。
- 宮内が樹生の心境の変化を待っていた可能性や、あずさの私的な記録をすぐ渡すことに迷っていた可能性は考えられます。
- その一方で、本人の日記を先に読み、樹生へ知らせず長期間保管していた宮内の判断には疑問が残ります。
- 日記を第7話まで登場させなかったことについては、充の話とあずさ側の気持ちを同じ回で見せるための物語上の構成だったという見方もできます。
宮内の行動を見て「もっと早く返していれば、樹生はここまで悩まずに済んだのでは」と感じるのは自然です。
ただ、日記に書かれていたのは樹生を完全に安心させる内容ではなく、むしろ自分の知らないところで、あずさと充が深い気持ちを共有していた事実でした。
宮内が返却を遅らせた意図は今のところ明確ではないため、気遣いだったのか、独善的な判断だったのかは見方が分かれるところです。
少なくとも、第7話の日記は単なる答え合わせではなく、樹生に「あずさには自分の知らない一面があった」と向き合わせるための重要な役割を持っていたと受け取れます。
