洗濯機で洗濯物を洗っていると、すすぎの段階で作業が停止してしまうことがあります。これは洗濯物の片寄りが主な原因で起こる現象ですが、そのほかにも幾つか考えられる原因があります。
すすぎの工程がいつまでも終わらない場合、または異常に時間がかかりすすぎから次のステップに進めない時の解決策について、詳しく解説しますので解決の手助けにしてください。
洗濯機のすすぎが終わらない、その理由は?
洗濯機でのすすぎ工程が延々と続いてしまう現象は主に3つの要因によって引き起こされます。
- 洗濯物が偏って分布している
- 洗濯機自体が水平に設置されていない
- 水の排水が適切に行われていない
これらの要因が多くの場合、連続すすぎの背景にある可能性があります。それぞれの点を検証することをおすすめします。
洗濯機のすすぎが終わらない主因:洗濯物の偏り
洗濯機のすすぎ工程が終わらず繰り返し発生することがしばしばありますが、これは洗濯物が偏っていることが最も一般的な原因です。すすぎから脱水への移行時に、洗濯物が均一に分布していないと、重心が偏り、洗濯機が正常に回転しなくなります。こうなると、洗濯機は洗濯物を再配分するために水を追加し、すすぎ工程を繰り返します。
場合によっては、洗濯機が激しい音を発することもあります。洗濯物が一度均等に分散すれば問題ないのですが、もし再び偏ってしまうと、すすぎが再度行われ、このサイクルがエンドレスに続いてしまい、洗濯が終わらない状況に陥ります。
洗濯機が水平ではない場合の問題点
洗濯機のリンスが終わらない二番目の理由は、装置が正しく水平に配置されていないことです。インストール時に確かに水平に設定したとしても、使用中の振動によって洗濯機がずれてしまい、気づかぬうちに斜めになる場合があります。清掃の際に少し位置を変えたことが原因で傾いてしまうこともありますね。
洗濯機が水平でないことによって、脱水時に洗濯機が十分に回転せず、リンスプロセスに戻ってしまうことがあります。しかし、リンスプロセスに戻っても問題が解決されないため、終わるはずの洗濯時間がかえって長引き、終了時間が増えるという現象が生じるのです。
排水トラブルが原因で終わらないすすぎ
洗濯機がすすぎを終えずに永遠に回り続ける第三の理由は、排水の問題です。
これには、排水溝の詰まり、排水ホースの捻じれ、あるいは排水ホース内への異物の詰まりなどが挙げられます。通常、脱水工程が完了すると、洗濯機内やホース内に水分は残っておらず、全て排水されているはずです。
しかし排水が適切に行われていない場合、その余水がいつまでも残留してしまうことで問題となります。
洗濯機によっては、残った水を感知し、再度すすぎ工程からやり直そうとするモデルもあります。従って、問題が解消されない限りは永遠にすすぎが続いてしまい、洗濯が完了しない事態に陥ります。
洗濯機がすすぎから進まない時の対処法
洗濯機がすすぎ工程で止まってしまい、次のステップへ進まない場合には、いくつかの原因が考えられます。そうした状況に直面した時に、どのように対応すればよいかを以下でご紹介します。
洗濯物の投入方法についての注意点
洗濯物が脱水時に偏集すると洗浄工程が中断するおそれがあるため、投入の際は注意しましょう。適切な量の目安は、洗濯槽の約7割程度です。詰め込み過ぎは避け、必要であれば分割して洗うことが推奨されます。逆に少なすぎる場合にはタオルなどを加えて調整するか、他の日の洗濯物と合わせて洗うなどの配慮が有効です。
規模が大きいアイテムなどは別途洗うことで問題を回避できますし、防水性のある衣類やウレタン素材を含むものもエラーの原因となり得ますので、これらは取り除いてから洗濯を再開しましょう。また、洗濯ネットへの過度の詰め込みも偏重の原因になるため、デリケートな衣類以外は直接投入するのが賢明です。
洗濯機の水平調整方法
洗濯機がきちんと水平に設置されていないと、洗濯物のすすぎが終わらなくなることがあります。しかし、一見して洗濯機が水平であるかどうかを見極めるのは難しいですよね。
そんな時は水準器を使用すると解決します。水準器は、多くの洗濯機に標準装備されていますが、もし付属していなければホームセンターやオンラインショップで購入することが可能です。
水準器を使って洗濯機の水平をチェックする場合、気泡が中央を指していれば水平が保たれている証です。もし気泡が中央からずれているなら、洗濯機の足部分にある調節ネジを回して高さの微調整を行い、水平になるようにします。
排水溝と排水ホースの点検方法
初めに、排水ホースが曲がったり潰れたりしていないか見てみましょう。また、内部に異物がないかも確認してください。大きな異物が見当たらなくとも、実は洗剤や柔軟剤が固まっていることがあり、この場合は温水を流し込むと固まった汚れが溶け出します。
続いて排水溝の点検ですが、洗濯機の排水溝は目に付かない場所にあることも多いでしょう。そのため、掃除をおろそかにしがちですが、この排水溝の汚れが水の流れを悪くする一因となることがあります。クリーニングは簡単で、排水ホースを取り外し、排水溝クリーナーを使って少し放置するだけです。粘度の高いクリーナーが特に使いやすく、快適に排水を促進します。
これらの措置ですすぎ時の排水問題が改善されるため、洗濯機がすすぎ工程で停滞することなくなるでしょう。排水溝が設置されていない状況で、もし浴室へ排水している場合には、浴室の段差が原因で水が逆流している可能性もあります。そういった際は洗濯機の下にレンガを敷き、10㎝以下の段差にしてください。そうすることで排水がしっかりと行われるようになり、すすぎの段階でエラーが出ずに済むようになります。
洗濯機のトラブルとエラー表示の対処法
洗濯機が脱水を行うことができず、またはすすぎの工程に戻ってしまい、通常よりも作業に時間がかかる場合、様々なメーカーにおいて異なるエラーコードが表示されることがあります。ここでは、パナソニック、東芝、シャープ、日立製の洗濯機におけるエラー表示についてご紹介します。
排水に関するエラーが出たときは、以下の点を確認してみましょう。
- 排水ホースが正しく設置されているか
- 排水溝に詰まりがないか
パナソニック
- U11 U19 排水エラー
- U13 脱水エラー
東芝
C1 排水エラー
E1 排水異常</ny
E3 洗濯層が傾いている
E5 給水異常 水位センサー異常 排水異常
シャープ
E3 排水エラー
E4 脱水回転の異常
日立
C02 C2 排水エラー
C04 C4 脱水エラー
各メーカーによって排水エラーや脱水エラーが発生することがあります。そうした際は、対処法に従って対応を試みましょう。
例えば、パナソニック製の洗濯機でU13エラーが表示された場合、これは衣類の偏りが原因で3回のすすぎと脱水を試みた後に停止することを意味します。
仮に1回のすすぎで10円のコストがかかるとすると、3回行うと30円が無駄になります。3回以上実行する機種の場合も同様に余計な水道代が掛かってしまうので注意が必要です。
時間と経費の無駄遣いを避けるためにも、早期の対応が推奨されます。
自分で対処を試みたものの、すすぎがエンドレスになる問題が解決しない場合、洗濯機自体の故障が疑われます。その際は専門の修理サービスを利用しましょう。
洗濯機の平均寿命が6~8年であることを考えると、それを超えて使用している場合は新しい機種への買い替えも視野に入れてよいでしょう。
近年の洗濯乾燥機は、洗剤や柔軟剤を必要量自動で計量するなど、機能が向上しており、家事の時短に貢献しています。
まとめ:洗濯機のリンスループの可能性とその対策
洗濯機がすすぎを終えずに永遠に続けてしまう事象は、次に挙げる点が原因として挙げられます:
- 洗濯物の偏り
- 洗濯機の設置が水平でないこと
- 排水不良
これらの中でも特に洗濯物の投入方法に問題があるケースが多いため、適量を心がけることが重要です。自身でのトラブルシューティングにて症状が改善しない際は、プロに修理を依頼するのが得策です。