スーパーマーケットの肉売り場にひっそりと置かれている、無料で提供される牛脂。見た目がキャラメルのようで、なんとなく警戒感を抱く方もいるでしょう。しかし、それが本当に体に悪影響を与えるのかについて解説します。
早速結果を申し上げますが、無節操な摂取さえ控えていれば、スーパーの牛脂が特別健康に害をもたらすというわけではありません。牛脂とは動物性の脂肪で、過剰に摂取することで血液が粘厚になるリスクは存在します。これは、専門店やオンラインショップ等で有料で販売されている牛脂も変わりません。
つまり、適量を守ればスーパーで無償で手に入る牛脂は安全だと言えます。もし危険で健康に悪影響を及ぼすなら、広く全国的に配布などされないでしょう。
さらにこの記事後半では、牛脂のデメリット、無料と有料の牛脂の差異、スーパー提供の牛脂の消費期限についても詳しく解説していきますので、この件で少しでも気になる方はぜひ最後までご覧ください。
スーパーの牛脂は健康に悪影響を及ぼす?その実態を探ってみました!
これからご説明する通り、市販されている牛脂とは、「売り物にはならないけれども、捨て去るには惜しい」程度の存在です。造られた代用品ではなく、ごく普通の牛肉から取り出された脂肪です。牛肉を加工する過程で排出される余分な脂肪を溶解し、きれいな四角形に成型したものが、いわゆる市販の牛脂です。
ですので、市販の牛脂を摂取しても直ちに健康を損ねるというわけではありません。この部分は心配されることはありません。ただし、動物性の脂肪であるが故、過剰に摂取することで「LDLコレステロール」が増加する恐れがある点は留意する必要があります。
詳細な説明は割愛しますが、動物由来の脂は飽和脂肪酸に分類され、一般に過剰摂取は血液の流れを悪化させるリスクを抱えていると指摘されています。ちなみに、飽和脂肪酸の安全な摂取基準と、1日の摂取カロリーの目安から計算すると、市販の牛脂を1日に1.5~2個分摂取するのが妥当な上限です。
他の食品からも飽和脂肪酸を摂取してしまう可能性を考えると、1日に1個程度に留めておくのが賢明だろうと思います。
長くなりましたが、市販の牛脂に関わる健康リスクは、添加物等ではなく、その性質による飽和脂肪酸に起因します。市販の牛脂が無料であったとしても、健康上の危険性はないため、安心してお召し上がりいただけます。
ただし、牛肉に対するアレルギーをお持ちの方はこの限りではありません。その場合は健康被害が懸念されるため、摂取は避けてください。
スーパーの牛脂はなぜ無料?その秘密と高級牛脂について
以前触れたように、スーパーマーケットで牛脂を費用なしで提供される理由は、もともと価値の低い部分であるためです。しかしながら、食用に適しており、この牛脂を使うことで料理に牛肉の芳醇な風味を加えることができます。そこで、スーパーは顧客に喜んでもらうために無料で配ることを決めたのです。実際には、これはスーパーの善意の象徴とも言えますね。ただしこれを貰う際には、スーパーのスタッフに対して感謝を忘れないようにしましょう。そして牛脂だけを求めることはマナー違反となるため、注意が必要です。
話は変わりますが、牛脂を専門肉店やオンラインでも購入できるのをご存じでしょうか。これらの場所での牛脂は、品質の良い肉から採取されたもので、未加工の状態で販売されています。細かく見ていくと、スーパーの牛脂(通称「ヘッド」)と、より高品質の牛脂(通称「ケンネ」)があり、後者は一般に旨味が強いと考えられています。専門肉店では肉を購入する際に牛脂が無料で提供されることも多いですが、牛脂そのものを求めると有料になることがあります。
上質なスーパーマーケットでは、国産牛脂が有料で販売されており、約30円で購入できることがあります。それらの商品には「国産だから無料ではない」といった意味のポップが添えられることも。「ケンネ」のような濃厚な牛脂をたくさん手に入れたい場合は、専門店よりもオンラインショップでの購入がオススメです。専門店で牛脂だけを求めるのは少々勇気がいることがあるからです。
使い道は多岐に渡り、野菜炒めやカレーに使ってみてはいかがでしょうか。その他にも様々な料理に活用できます。
牛脂の賞味期限はどのくらい?消費の目安について解説!
冒頭に、市販されている牛脂の賞味期限について少し触れてみますね。
皆さんはご存じでしょうか。市場でよく見かける牛脂パッケージには、賞味期限が書かれていることもあれば、そうでないこともあります。これは、小分けの食品に賞味期限を記載する法的義務がないためです。
正確な賞味期限の日付を提供することは難しいですが、大まかな基準として、次の期間が目安になりそうです。
- 冷蔵保存の場合:約5日~7日程度
- 冷凍保存の場合:約1か月程度
賞味期限が明示されている場合は、その期間内に使用するのがベストですが、賞味期限が記されていない場合は、入手した日から上記の期間を基準に消費しましょう。
面倒かもしれませんが、油性マジックなどで入手日や賞味期限の目安を記入しておけば、後で使う際も便利です。
実際に、私自身も冷凍庫にはいつも牛脂のストックを何個か入れており、多少の経過時間があっても安心して使用しています。驚くほど風味が落ちてしまった、という経験はこれまでに一切ありませんでした。
ですから、あまりにも神経質になることはないかもしれませんね。使用する前に、状態が悪くなっていないか、カビが生えていないかのような基本的なチェックを行い、問題がなければ、古い牛脂でも問題なく使用できるはずです。
スーパーの牛脂の健康への影響について
今回は、スーパーで無償で提供されている牛脂の健康影響について情報をお届けしました。スーパーの牛脂は、無料で手に入れることができるため気になるところですが、精製され成形された純正の牛脂であれば、摂取しても直接的に体に害があるわけではありません。
しかし、牛脂は動物性脂肪で不飽和脂肪酸も含まれており、過度な摂取は悪玉コレステロールの増加につながりかねないため、一日の摂取量は1個程度に留めるのが無難でしょう。
また、牛脂の賞味期限に関しては、表示がある商品とない商品があります。取得した日から数えて、冷凍庫での保管であれば約5日間、冷蔵庫であれば約1ヶ月を目処に使い切ることが推奨されます。
この情報が皆さんの参考になったら幸いです。