ヒメウツギを庭に植えるのはタブー？縁起や実際の問題について徹底調査！

「ヒメウツギを庭に植えるのは禁忌なの？」そんな疑問があるかもしれませんが、それは大きな誤解です。もちろん、庭にヒメウツギを植えても何の問題も生じません。

しかし、時折「庭にヒメウツギを植えると良くない」という風評を耳にすることがありますよね？このような話の真相に迫るべく、以下の内容を深掘りしていきたいと思います

花から樹木まで、幅広い植物を愛する私が、ここでその謎を解き明かします。

庭へのヒメウツギ植栽を避けるべきとされる理由

ヒメウツギに関する調査を行なったところ、以下のような問題点が見つからないことが明らかになりました。

これらの否定的要素は確認できなかったものの、「ヒメウツギは庭に植えるべからず」との警告がなされる理由は何なのでしょうか。

結論としては、実はヒメウツギがタニウツギと混同され、誤解を招いていることが判明しました。

ヒメウツギによく似た名前を持つタニウツギがありますが、古くから「縁起が悪いので庭には植えるべからず」と言われ続けてきました。この植物にまつわる不吉なイメージの背景には主に以下の二つの理由が存在します。

日本においてこうした使われ方をしていたため、タニウツギには「死人花」や「葬式花」といった不吉な別名がつけられているのです。

さらに、その枝が容易に燃え上がり、花の色が火災を想起させることから、「火事花」という異名も存在しており、これらの特性により、一部地域では避けられる木となっています。

ヒメウツギとタニウツギは名前が類似していますが、これらは全く異なる種です。各々の属名や科名も以下の表に示す通り、別々に区分されます。

種名	属名	科名
ヒメウツギ	ウツギ属	ユキノシタ科
タニウツギ	タニウツギ属	スイカズラ科

「ウツギ」は「空木」とも書かれ、その名の通り茎の内部が空洞となる木の総称です。

そうした特徴から、ヒメウツギ（姫空木）とタニウツギ（谷空木）は近縁のように見られがちですが、それは勘違い。

両者は似て非なるものであり、タニウツギが不吉なイメージを持つとしても、それは他のウツギ類には関係ない話なのです。

ガーデニング好きから愛されているヒメウツギは、多くのメリットが詰まっています。庭植えにふさわしくないというのは間違いな話で、以下のような魅力が確認できます。

元々が日本原生の植物で、自然と日本の環境に適応しているため、特別な手間をかけずとも順調に成長してくれます。

見た目はシンプルで控えめながら、日本庭園だけでなく、西洋風の庭や異国の植物とも調和する柔軟性を持っています。非常に万能であるため、幅広く利用することができる植物です。

ヒメウツギの花言葉には、不吉な意味やマイナスのイメージは全く含まれていません。以下はその素敵な言葉達です。

「秘密」や「秘めた恋」は、ヒメウツギが持つ空洞のある茎（幹）からインスピレーションを受けて名付けられたのです。「秘密を孕んでいる」ということに、ロマンティックな魅力を感じざるを得ません。

ヒメウツギは、高さでは最大でも約1.5メートルまでに成長する低木です。

しかし、その成長傾向は横へと広がるため、放っておくとどんどんと周囲へと広がり、管理が難しくなる恐れがあります。そのため、しっかりと管理を行い、ヒメウツギの扱いには剪定が不可欠となります。

具体的な剪定方法については、この動画でウツギについての詳細な説明がなされており、ヒメウツギへの適用にも役立つはずです。

剪定は年に2回が目安で、以下の時期に行うことが推奨されています。

これらの時期を念頭に置き、きちんと剪定を行なっていれば、ご自宅の庭でヒメウツギを楽しむことができるでしょう。

庭にヒメウツギを植えることが避けられがちなのは、縁起の悪いタニウツギとの混同が原因で生じた誤解によるものです。

実際は、ヒメウツギを含むウツギ属の植物は育てやすく、害がないことが知られています。

ウツギの花は「卯の花」とも呼ばれ、日本の古典である万葉集には「空木」や「卯の花」に言及する歌が20以上も収録されているほど、古来から日本人に親しまれてきました。

ヒメウツギの花が「美しい」と感じられるのは、それが私たちの古代からの感性と共鳴するからかもしれません。また、風水の観点からも庭にヒメウツギを植えることは、家庭に活力をもたらすとされています。