じゃがいもは、その種類の豊富さで知られています。
その中でも、「ばれいしょ」という言葉を耳にすることがありますが、この単語の意味するところについて不明な点を抱えている方も少なくないでしょう。
今回は、じゃがいものバリエーションとして知られる代表的なものを含め、「ばれいしょ」の真実について、わかりやすくご説明いたします。
馬鈴薯（ばれいしょ）とは何か？
皆さんは「ばれいしょ」が具体的にどのようなじゃがいもを指すのかご存知ですか？一見するとじゃがいもと馬鈴薯は同じように思えますが、これについて混乱している方も多いはずです。この文章を読めば、そんな疑問が晴れるでしょう。
ばれいしょの由来と名称の変遷
多くの人が親しむ「じゃがいも」ですが、実は「ばれいしょ」とも呼ばれています。この言葉は中国由来のもので、かつてはホドイモというマメ科植物を指していたとされています。江戸時代の終わりごろ、学問の世界で「ばれいしょ」と「じゃがいも」が同じ植物を指すことが定められ、この名称が広まるきっかけとなりました。
じゃがいも自体は、約400年前の1600年代にオランダ人を介して我が国に持ち込まれました。最初には長い名称「ジャガタライモ」として呼ばれ、その後徐々に言葉が短縮され、現在に至るまで「じゃがいも」と親しまれるようになったわけです。
じゃがいもの別名「ばれいしょ」
前述のように、「ばれいしょ」という言葉はじゃがいもを指す際に用いられる普遍的な別名です。この言葉はじゃがいもを幅広く指す言葉として把握しておくと良いでしょう。
じゃがいも（ばれいしょ）の種類
じゃがいもには多様な品種が存在し、それぞれが特有の特長と用途を持っています。ここでは、じゃがいもの異なる種類に焦点を当てて、詳細にご紹介いたします。
メークインの特徴
メークインとは、イギリスが原産地のじゃがいもで、大正時代に日本へと紹介された品種です。元々「May Queen」として世界に知られ、滑らかな長楕円の形状をしており、皮が薄くて剥きやすいことが特徴です。粘り気と滑らかな食感を持ち合わせ、その上で強い甘みがあるため、煮物料理には最適な種類とされています。さらに、男爵芋と比較すると、メークインは黄色味がかった色合いで煮崩れもしにくいというメリットがあります。
男爵芋について
男爵芋は、アメリカの「アイリッシュ・コブラー」という品種が、日本国内での栽培に成功して誕生したものです。この種類を日本へ導入したのは、川田龍吉という男爵で、彼の名を冠して「男爵芋」と名付けられました。形状はメークインに比べると球形に近く、ざらざらした表面をしており、皮の剥きにくさが特徴です。それを補って余りあるのは、ふっくらとした食感であり、じゃがバター、マッシュポテト、コロッケなど様々な料理に使うと、格別の味わいを楽しむことができます。
キタアカリの特徴
キタアカリは、農研機構北海道農業研究センターで、「男爵」と「インカのめざめ」を組み合わせて品種改良されたジャガイモです。その目を引く黄色の実身から、別名「栗ジャガイモ」または「黄金男爵」と称されます。外観は従来の男爵イモと似通っていますが、キタアカリは甘みがあり、特に茹でると栗のようなしっとりとした食感を堪能できることで知られており、じゃがバター作りやフライドポテト作りに最適です。しかし、煮崩れしやすい性質上、煮料理には不向きである点には注意が必要です。
丹波篠山・西嶋さん(所長の前の職場の先輩です)の完全無農薬「きたあかり」販売します！
ホクホク美味しいじゃがいも、ご飯におやつに是非どうぞ！ pic.twitter.com/nAanmO93Eh— 絹延橋うどん研究所の所長 (@kinuuken12) June 20, 2024
インカのめざめについて
アンデス原産の在来品種と北米由来のじゃがいもを掛け合わせて誕生した「インカのめざめ」は、古代アンデス文明を彷彿とさせるネーミングを持ちます。特徴はその細長い外形と、目を引く深い黄色の実肉にあります。強い粘り気があるため、カレーやシチューなど長時間煮込む料理に最適な品種です。さらに、明るい色のインカのめざめをサラダやお弁当に取り入れれば、見た目にも鮮やかなアクセントを加えることが可能です。
今日はじゃがバターパーティー！
4種のジャガイモを食べ比べするよ！（爪楊枝の位置から時計回りに）
・デストロイヤー
（グラウンドペチカ）
・男爵
・キタアカリ
・インカのめざめ pic.twitter.com/frhQNRZxH9— くこ (@kucosmetic) June 20, 2024
ばれいしょに関するガイド
本稿では、日本における「ばれいしょ」について説明しており、これが一般的にじゃがいもの総称として用いられる表現であることを明らかにしました。
また、国内で愛されているじゃがいもの代表的な品種である「男爵芋」、「キタアカリ」、そして「インカのめざめ」に関して、その特性を深く掘り下げていきます。
これらの品種はそれぞれに独特な性質を持ち、料理の種類に応じて適した使い方が推奨されています。
男爵芋について
アメリカに起源を持つ「アイリッシュ・コブラー」から進化したこの品種は、その丸みを帯びたぶつぶつとした外観が特徴です。皮の剥きにくさはあるものの、その食感はホクホクしており、フライやマッシュポテト、コロッケなどの料理に適しています。
キタアカリの特質
「男爵芋」と「ツニカ」との交配により北海道で開発されたこちらの品種は、黄金色に輝く肉質が特徴的です。甘みが強く、蒸すことでそのホクホクとした食感がより顕著になるため、じゃがバターやフライドポテトに適していますが、煮物には向きません。
インカのめざめの特長
アンデス原産の在来種とアメリカの品種を交配させて誕生したこの品種は、その鮮やかな黄色と粘りが強い点が大きな特徴です。煮込み料理やカラフルなサラダに最適であり、カレーやシチューといった料理にも良く合います。
今回ご紹介したような知識を元にして、各品種の持つ特性を生かす調理法を選ぶことにより、料理の風味を存分に楽しむことが可能になります。
