妊娠中はどのような食品を摂るか慎重に考える必要があり、特にチーズを楽しむ場合、安全な種類を選ぶことが大切です。
特にモッツァレラチーズは、妊婦さんにとって適しているのでしょうか？様々なチーズがあり、その中でも妊娠中に適しているものとそうでないものが存在します。
このテキストではモッツァレラチーズの妊娠中の摂取に関する以下の事柄を説明していきます：
- 妊娠している間にモッツァレラチーズを食べることの是非
- モッツァレラチーズに含まれる栄養素について
- 妊娠しているときに安心して食べられるチーズの種別
- リステリア菌による感染の可能性について
モッツァレラチーズの特徴
イタリアのカンパニア州が発祥のモッツァレラチーズは、新鮮な状態で味わうフレッシュチーズとして知られています。
特有の弾力ある食感と、温めると糸を引くような伸びる質感が魅力の一つです。
また、その穏やかな味わいも人気です。チーズの名称は、イタリア語で「ちぎる」という行為を意味する「mozzare」が語源となっています。
モッツァレラチーズの主要な３つの栄養素
モッツァレラチーズは栄養価が高い食材で、特にカルシウム、ビタミンA、及びビタミンB2が豊富です。
これらの成分は、骨を丈夫にしたり、皮膚を健康に保ったり、視力を守るのに重要な役割を果たします。
カルシウムは筋肉機能のサポートや血液の正常な凝固に寄与し、ビタミンAは細胞を酸化から守る働きがあります。また、ビタミンB2は、体内でのエネルギー産生を効率よく行うために必要です。
妊娠中のモッツァレラチーズの安全性について
妊婦さんの食生活において、食品の安全性は非常に大切なポイントです。特に、モッツァレラチーズを摂取する際には、その製法によって生じるリステリア菌のリスクに警戒する必要があります。
日本国内で販売されているモッツァレラは、多くの場合、殺菌された状態で提供されているため比較的安心です。
一方で、海外から輸入された製品の中には、生乳から作られたものが存在することを把握しておくことが求められます。
つわりが終わったら食べたいものNo.1は五右衛門の湯葉とたらこのカルボナーラなんだけど、生卵モッツァレラチーズ生たらこと、妊娠中NGな食材がてんこもりで無理
— しいな🧸2m(3/30☺︎) (@shi___n_a) October 1, 2023
リステリア菌の危険性と妊婦への影響
リステリア菌が汚染した食べ物を口にすることで、とりわけ妊娠中の女性が深刻な問題に直面する可能性があります。
この菌は胎盤を介して胎児に感染することがあり、その結果、成長障害や流産の可能性を高めてしまいます。
さらに、妊娠している間には摂取できない薬が多く存在するため、リステリアによる食品中毒が起こった場合の治療法の選択肢が制限されることになります。
妊娠中に食べられるチーズ・控えたいチーズ
妊娠中に避けるべきナチュラルチーズの種類
妊娠中に摂取を控えるべきチーズは、「ナチュラルチーズ」と呼ばれるものです。これらのチーズは生の状態で製造されており、リステリア菌やトキソプラズマといった細菌を含む可能性があります。妊娠中にこれらの細菌に感染すると、流産や胎児の先天性障碍のリスクが増加する可能性があるため注意が必要です。
ナチュラルチーズは、活動している乳酸菌によって作られ、加熱処理を行っていないチーズのことを指します。代表的なナチュラルチーズには、ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、クリームチーズ、チェダー、カマンベールなどがあります。いずれも加熱せずにそのまま食べる際は健康リスクが生じる可能性があるため、妊婦さんは特に注意が必要です。
特に、海外から輸入されたチーズの中には、生乳を使用して製造されているものがありますので、その点には特に警戴を提起します。しかし、十分な加熱処理によって細菌を死滅させることができれば、安心して食べることが可能です。また、国内で作られているナチュラルチーズの多くは加熱処理を施しているので、輸入品に比べれば比較的リスクが低いと言えるでしょう。
妊娠中に安心して食べることができるチーズ
妊娠中の女性でも安全に食べることができるチーズには、プロセスチーズやピザ用のチーズ、スライスチーズ、ポーションチーズなどの加熱や殺菌済みのチーズがあります。これらは十分な熱処理が施されており、妊娠中の女性にとっての健康リスクが低く抑えられています。国産のこれらのチーズ類は、一般的に安心して食べることができるとされています。
妊娠していても安心して楽しめるモッツァレラチーズレシピ
妊娠中の方に向けて、安全かつ美味しく楽しめるモッツァレラチーズ使用のレシピを幾つかご紹介いたします。
ピザ
ピザにおいて重要な役割を果たすモッツァレラチーズですが、オーブンで適切な温度に加熱されることで、もしリステリア菌が含まれていた場合でも菌は死滅し、安心して美味しくいただくことができます。
アヒージョの魅力
アヒージョに使用するモッツァレラチーズは、程よく溶けることで格別な美味しさを引き出します。熱を加えることで細菌を死滅させるため、妊娠中の方にも安心して召し上がれます。トロリととろけるチーズをパンにのせて楽しむのは、ぜひともお試しいただきたい逸品です。
妊娠中の食事ガイド：おすすめ食材・避けるべき食材・禁忌食材60選リスト
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠期間中は、身体に必要なさまざまな栄養素をバランス良く摂取することが大切です。ここでは妊婦さんに推奨される食べ物と、それらに含まれる主要な栄養成分を紹介します。
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- 豚肉: タンパク質、ビタミンB群
- 鶏肉: タンパク質の供給源
- 牛肉: タンパク質、鉄分、亜鉛が豊富
- 青魚: 必須脂肪酸のDHAとEPA
- 鮭: タンパク質、ビタマンB6、ビタミンDを含有
- ぶり: 鉄分が含まれている
- かつお: 鉄を豊富に含む
- 白身魚: タンパク質が豊富
- 貝類: 鉄と亜鉛の良い供給源
- 桜エビ: タンパク質、カルシウムが含まれる
- 卵: タンパク質を豊富に含む
- ブロッコリー: 葉酸とカリウムが多い
- 青菜: 葉酸、鉄、カリウム、カルシウムが含まれる
- ヨーグルト: タンパク質とカルシウムを含有
- 納豆: 葉酸とビタミンE
- 大豆製品: タンパク質、鉄分、ビタミンE、カルシウム
- いちご: 葉酸を含む
- アボカド: ビタミンEとカリウム
- トウモロコシ: 葉酸とビタミンEが豊富
- グリーンアスパラガス: 葉酸が含まれている
- 枝豆: 葉酸を含む
- そら豆: 葉酸が含まれる
- トマト: カリウムが豊富
- もずく: ミネラルと食物繊維
- きのこ: 食物繊維とビタミンDが豊富
- 切り干し大根: 食物繊維を含む
- もち麦: 食物繊維が豊富な食材
妊娠時に摂取を控えるべき食品について
妊娠期間中、注意が必要な食物には、食中毒の危険性が高いものや、胎児の健全な発育に悪影響を与え得るいくつかの食品が存在します。
感染症のリスクをもたらす可能性のある食品
- 刺身類
- 生卵
- ローストビーフ
- 生のハム
- ナチュラルチーズの種類
- 肉類や魚類のパテ
メチル水銀を含む可能性のある魚介類
- 金目鯛やメカジキ、メバチマグロ、本マグロ、エッチュウバイ貝、くじらなどは、80グラム限定で週に1回まで
- きだいやインドマグロ、マカジキ、くろむつなどは、80グラムを週2回まで
ヨウ素やヒ素を含むことがある食品
- 昆布：1日1回、少量に留める
- ひじき：一度に小鉢2杯程度を週に2回まで
カフェインを含む飲料類の摂取推奨量
- コーヒー：100mlあたり約60mg
- 紅茶、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶：100mlあたり約20-30mg
- ココア：100mlあたり約10mg
妊娠中の飲み物でいちばん無難なのは麦茶ですかね。
緑茶・紅茶・ほうじ茶などもカフェイン入ってますが、１日２～３杯くらいなら誤差レベルの量ですし問題ないかなと🐻❄️
（玉露はけっこう多いみたいです）… https://t.co/q0sFN7bU3D— 産婦人科医やっきー (@yacky_sanfu) May 10, 2024
糖分の多いお菓子やジュース
妊娠中の糖分の過多な摂取は、妊娠糖尿病のリスクを高めます。適切な量を心掛け、胎児に発生する可能性のある合併症を避けましょう。
妊娠初期に特に注意すべき動物性ビタミンA
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物と妊娠高血圧症候群
妊娠中の塩分過剰は、妊娠高血圧症候群のリスクを高める可能性があります。妊娠高血圧症候群は、重篤な状態に至ることもあるため、塩分摂取量には十分な注意を払う必要があります。
妊娠期間中に摂取を控えるべき食品
- 生の肉類（例：ローストビーフ、ユッケ、馬刺し、刺身、肉のパテなど）
- アルコール飲料
妊娠と栄養摂取の大事なポイント
妊娠しているときは、殺菌されたモッツァレラのようなチーズは安全に食べることができますが、生乳から作られた輸入チーズは摂取を控えましょう。なぜなら、生乳から作られたチーズにはリステリアという細菌が含まれている可能性があり、これに感染すると流産や早産の恐れがあるからです。
妊婦さんが食事に気をつけるべき基本的なガイドラインを、ここでは紹介します。
糖質はほどほどに。
甘いお菓子やジュースなどの糖分は、妊娠中の糖尿病を誘発する可能性があるため、摂取量を控えめにすることが肝心です。母体と赤ちゃんへの健康に影響が出ることがあるためです。
過剰なビタミンAは避ける。
妊娠初期では、レバーやウナギ、アナゴなどの動物性ビタミンAを多く含む食品の摂取が胎児の正常な成長に害を及ぼすことがあるので、これらの食品は適量に留めるべきです。
塩分摂取の調整。
塩分の過剰摂取は妊娠中毒症を招くリスクがあり、母体と胎児双方に深刻な影響を及ぼします。適切な量を心掛けることが重要です。
生肉とアルコールは厳禁。
妊娠期には生肉やアルコール類を避ける必要があります。どちらも胎児への健康リスクが高いため、完全に摂取しないようにしましょう。
妊娠中の食生活は、母体とお腹の中の赤ちゃんの健康に直結しています。ここで挙げたガイドラインを踏まえ、日々の食事に注意を払うことが、妊娠期間の安全と健康を保つためには不可欠です。
