勝手にラジコンが動き出す原因の1つが、使用している電波の周波数への何らかの干渉が考えられます。
私たちの身の回りにはたくさんの電波が飛び交っていてその電波とラジコンの受信機が干渉していまうことがあるんですね。
対策としては下記の3つです。
- 使用バンドの変更
- FM式のラジコンを使う
- 4GHz帯のプロポを使う
もう一つよく起こる原因として電池・バッテリーの残量低下の可能性もあります。
電池切れ直前の電圧が弱まってきたタイミングでトラブルが起きてしまうことがあるので電池やバッテリー残量もチェックしてみてください。
この記事では、
- ラジコンが勝手に動く理由と対策方法は?
- その他のよくあるラジコンのトラブルと対策方法は?
- 電動ラジコンカーのラジコンシステムの装置の役割とは?
といった内容をまとめてみました。「ラジコンが勝手に動くんだけどなんで!?」と気になっている方には参考になるので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
ラジコンが勝手に動く理由と対策方法は?
「ラジコンが勝手に動いた!?」それにはちゃんとした理由があります。
対策を講じれば誰にでも対処できるので安心してくださいね。
それでは、その理由と対策方法について説明していきます!
ラジコンが勝手に動く原因
ラジコンの周波数
ラジコンの代表であるRCカー(ラジオコントロールカー)はコントローラー(プロポ)で電波を発信し、車体の受信機でその電波を受け取って動く仕組みになっているのはイメージできますよね。
操作のやりとりで使われている電波。これにはいくつかの種類があることはご存じでしょうか?
日本ではホビー用として使用されている電波の周波数は以下の通りとなっています。
- 27MHz帯
- 40MHz帯(地上・水上用)
- 72MHz帯(上空用)
- 4GHz帯(Wi-Fi)
使用周波数への干渉
勝手にラジコンが動き出す原因の1つが、使用している電波の周波数への何らかの干渉が考えられます。
ラジコンの受信機は電波を探してキャッチしますが、日本の都市部は電波で満たされており、本来受け取るべき電波と違ったものをキャッチしてしまい、ラジコンが勝手に動き出してしまうことがあります。
特に注意が必要なのは27MHz帯。
27MHz帯の電波はホビー用のラジコン以外にも、市民ラジオとの共用波も使われています。そのため電波の混信を受けるトラブルが昔から多発しています。
大型トラックなどが家の近くを通った際に、そのトラックが27MHz帯で違法なハイパワー無線を使用していた場合、その電波をキャッチして家の中でラジコンが勝手に動いてしまうことがあります。
この27MHz帯の混信・妨害トラブルが多かったことが40MHz帯と72MHz帯の周波数がホビー用として割り当てられた背景にもなっているのですね。
「ホビー用の40MHz帯と72MHz帯を使っているラジコンであれば電波の干渉を受けないの?」と当然思いますよね。
しかし、そうとも限らないのです。
あなたが普段、耳にするラジオ。これには「AM」と「FM」がありますよね。
AMラジオとFMラジオでは音を届ける仕組みに違いがあり、それぞれに特徴があります。
- AMラジオ:遠くまで伝わるが、ノイズが入りやすい(トークが主体の番組向き)
- FMラジオ:遠くまで伝わりづらいが、ノイズは入りにくい(音楽番組向き)
実はラジコンにもAMとFMがあるのです。
ラジオと特徴は同じなのでAM式のラジコンはノイズを拾いやすく、近くに似た周波数のラジコンを操作している人がいた場合、ラジコンが勝手に動いてしまうことがあります。
しかし、FM式だったとしても同じ周波数の電波が飛んでいれば混信してしまうので覚えておきましょう。
使用周波数への干渉対策
3つほど対策をご紹介していくので参考にしてくださいね。
使用バンドの変更
勝手にラジコンが動いてしまう場合には使用バンドを変更するのが良いですね。
バンドというのはチャンネルのことです。40MHz帯であれば8バンド、27MHzであれば12バンドのチャンネルがあります。
もし近くに他のラジコンを操作している人がいれば、使用しているバンドを聞き、それとは違うバンドを設定しましょう。
バンドの設定ができない子供用のラジコンの場合は、他のラジコンから距離をあけて使用しましょうね。
FM式のラジコンを使う
前述したとおり、FM電波はノイズを拾いにくい特徴があるので、FM式のRCカーを使うと良いでしょう。FM式のプロポも購入しなければならないので予算がある人向けの選択肢になります。
4GHz帯のプロポを使う
現在、主流の混信対策はこちらになります。いわゆるWi-Fiでの接続のことです。
スイッチを入れると自動で周囲の空きバンド状態を検出し、自動で使用するバンドが決定されます。送信機と受信機が接続されると、受信機は他の送信機には反応しなくなるので混信の心配がありません。
電池・バッテリーの残量低下
電池やバッテリーの消耗が原因でラジコンが操作不能のまま、勝手に動き続けてしまうことがあります。
電池がなくなったなら動かなくなるんじゃないの?と思いますよね。
完全な電池切れの場合はその通りなのですが、電池切れ直前の電圧が弱まってきたタイミングでトラブルが起きてしまうのです。
少し詳しく説明しますね。
電動RCカーを動かす装置のひとつに「アンプ」というものがあります。
これはモーターとバッテリーの間で出力を制御する作業を行う装置です。
バッテリーの残量が少なくなってくると、アンプはモーターの電力を優先的に維持するように働いてしまうため、受信機の電力を確保できなくなります。
そのため、RCカーはプロポからの信号を受信できない状態で走り続け、操作不能の暴走状態に陥ってしまうことが...。
高価なアンプになると、モーターと受信機の電圧を一定に確保する回路が働くようになっているため、暴走状態は回避できるので対策として知っておきましょう。
その他のよくあるラジコンのトラブルと対策方法は?
いろいろな装置が組み合わさっているラジコン。
そのためトラブルも多いのです。
よくあるトラブルとその対策方法をご説明します。
スピードのトラブル
トップスピードが遅い
アンプや送信機の設定不良の可能性があります。
ハイポイントという最大パワーを調節する機能があるので設定を見直すといいですね。
それでも改善しない場合は接触不良や、バッテリー・モーターの消耗が疑われます。
トップスピードが極端に遅い
極端にスピードが遅かったり、進まないようなときはアンプの故障が疑われます。
アンプを修理に出すか新しいものに取り換えましょう。
加速が鈍い
コネクター金属部の汚れやハンダ付け不良などが考えられます。
特に問題がないようであれば、モーター側・アンプ側のノイズキラーコンデンサどちらかの消耗によるものかもしれません。
ブレーキのトラブル
ブレーキの効きが悪い
アンプや送信機の設定不良の可能性があります。
送信機のブレーキをノーマルに設定し、ブレーキポイントの設定を行いましょう。
改善しなければはハンダ付けやコネクターの金属部分の汚れを確認してみましょう。
ブレーキが全く効かない
アンプの故障が考えられます。
アンプのトラブル
電源が入らない
バッテリーの充電切れやスイッチの破損がないか確認してください。
バッテリーケーブルのコネクター金属の汚れが原因の場合もあります。
電源は入るが、モーターもサーボも反応しない
まず送信機と受信機の周波数が合っているか確認してください。
合っていればケーブルの断線や金属ピンの接触不良が考えられます。
アンプ内部のケーブル断線が疑われる場合はアンプを修理に出しましょう。
電源は入り、サーボも動くが、モーターが動かない
モーターケーブルの断線またはコネクター部の破損・汚れを確認してみましょう。
アンプが高温になり、走行中に停止してしまう
ヒートプロテクション機能が作動した状態です。
アンプの温度が高くなりすぎたときに強制的に送電を停止させる機能が備わっています。
安価なアンプは容量が小さいので流せる電流に限界があります。
高いギア比を組むとアンプの能力を超えた電流を流してしまうことになり、異常な発熱が起きてしまいます。アンプの能力に合わせたギア比設定をする必要がありそうですね。
電動ラジコンカーのラジコンシステムの装置の役割とは?
あなたは「電動ラジコンカー」の「ラジコン」の意味を深く考えたことありますか?
「コントローラーを使って模型の車とかを動かして遊ぶおもちゃでしょ?」
この認識、実は少し違います!
理解を深めるためにラジコンのシステムを説明していきますね。
トイラジとラジコン
一般的に身近にある小学校低学年くらいのお子さんでも操作できるような「ラジコン」というのは、実は「トイラジ」という分類に入ります。
先に結論だけ言うと、ラジコンとトイラジの違いはプロポーショナルシステムを採用しているか、していないかの違いがあります。
プロポーショナルシステム(ラジコンシステム)
マシンに、走る・止まる・右に曲がる・左に曲がるといった単純な動きをさせるには「送信機」と「受信機」があれば再現可能です。トイラジがこれに当たりますね。
しかし、スピードの調整や曲がる角度の調整など、細かい命令を再現するには、「送信機」「受信機」そして「サーボ」という装置が必要になります。
この3つを基本として、ラジコンを操作する一連の流れをプロポーショナルシステムと呼んでいます。
各装置の役割
いろいろな装置の名前が出てきたので簡潔にそれぞれの役割をまとめました。
送信機の役割
マシンに命令信号を送るためのコントローラーですね。
カーモデルのRCでは「ホイーラータイプ」が一般的でありカーモデル以外のRCでは「スティックタイプ」が一般的。
受信機の役割
送信機からの命令信号をキャッチし、その内容をサーボやアンプに伝える仕事をしています。
27MHz帯と40MHz帯を使う場合には送信機と受信機に同じバンドのクリスタルを装着しなければ送受信ができなくなるので必ず覚えておきましょうね。
サーボの役割
サーボは受信機からの命令信号を受け取り、マシンのスピードや回転方向、時間を決め、内蔵されているサーボモーターでサーボホーンを動かします。このサーボホーンというのはRCカーだと進む方向の制御をするのに必要な装置です。
このサーボのシステムが無ければラジコンを手足のように操作することは不可能に近いのです!
プロポセット
通常は「送信機」「受信機」「サーボ」がセットになって販売されているものがプロポセット(プロポーショナルセット)の内容になります。商品によってはスピードコントローラー(アンプ)も同梱されているものもありますね。
スピードコントローラー(アンプ)の役割
スピードコントローラーは受信機で受けた信号を電圧に変えて、モーターの回転数を調節します。補足ですがスピードコントローラーには別称がいくつかあり、「アンプ」「ESC」などとも呼ばれるので念のために知っておいたほうが混乱しないで済みますよ。
プロポ用の電池
プロポは単三電池4本のものが多いです。
安定した電圧が求められるのでアルカリ電池の使用がベストです。
学んだこと。プロポにエネループ等は電圧が低いのでダメ。アルカリ単三を使う。
— Sala@濃昼とか (@KatsuTopAce) July 7, 2016
ちなみにマシンの受信機は電池不要です。基本的にはマシンに搭載されたバッテリーから電力が供給される仕組みになっています。
プロポのチャンネル数選び
プロポには2チャンネル・6チャンネル・8チャンネルといった仕様がいくつかあります。
コントロールする動作の数に合わせてチャンネル数を選ぶのですが、RCカーではスピードとステアリングの2種類の動作をコントロールできればいいので、2チャンネルプロポを選択すればOKです。
主流のプロポ
今までは27MHz帯または40MHz帯の周波数で信号のやりとりをするプロポが主流でしたが、送信機と受信機に同バンドのクリスタルを装着しなければならない手間や、混信といったトラブルがありました。
しかし、2.4GHz帯のプロポの登場でクリスタルの交換や混信のトラブルから解放されたのです。
2.4GHz帯のプロポは従来の27MHz帯や40MHz帯のプロポとも併用が可能であり、さらにバンド調整の必要がないといった利便性から、2.4GHz帯のプロポが今では主流となりました。
「深夜まで組み立てして怒られる」があるあるですね😆
最近のプロポは2.4GHz仕様になっており「クリスタル交換」無しで仲間同士で同時走行可能。乾電池も4本(昔は8本)で済み、お小遣いにも優しくなっています!#サンタさんに感謝 #tamiyarc #タミヤRC https://t.co/eQ2uANoxtE
— タミヤ (@tamiyainc) December 25, 2019
各装置をマシンに搭載する
装置を入手したらマシンに搭載しなければならない。
搭載前に知っておいたほうがいいことを紹介しますね。
配線を考える
搭載前に、どの装置とどの装置を繋げればいいのかを知っておく必要がありますね。
- 受信機↔ステアリングサーボ&スピードコントローラー
- スピードコントローラー↔受信機&モーター&バッテリー
文字で見ると理解しにくいが、自分の手で紙に配線イメージを実際に描いてみると理解しやすいですよ。
搭載する際には、それぞれの装置ごとにコネクターが違うので間違って繋げてしまうということは滅多に起きないと思います。それでもコネクターの向きやコードの色など丁寧に確認しながら準備しましょうね。
サーボのニュートラル設定
サーボのニュートラル位置でタイヤがまっすぐ向くように設定しておく必要があります。
この操作を最初に行っていなければ、ハンドルを離した状態でマシンがまっすぐ進まなくなってしまいます。
コードは整理整頓
接続コードは長めに設定されているので、ただ装置同士を繋げたままではコードがぐちゃぐちゃになってしまいます。
マシン内は作動部位が多いので、そこにコードが干渉しないようにしなければなりません。
余った配線は結束バンドなどでまとめて、すっきりとさせましょうね。
各装置搭載時の注意点
装置を搭載し、組み立てていくのはとてもわくわくしますよね。
「早く組み立てて遊びたい!」その気持ちを少し抑えて組み立てましょう!
組み立て時の最大の注意点はチェックをせずに一気に組み立ててしまうことでしょう。
組み立ては1工程1チェックを基本に進めましょう。
全部組み立て終わったあとにチェックをする場合、うまくマシンが動作しなければ、その原因を探すのに、かなり時間を消費してしまう可能性があります。
仮に原因が早くわかっても、細かい部分の調整が必要な場合、また装置を取り外さないと作業ができないこともあるので、二度手間になってしまいます。
一つ一つ丁寧なチェックをしながら楽しんで組み立てていきましょう!