口溶けの良い濃密な甘さが特徴の練乳は、わずかずつ使うことが多く、気づけば賞味期限が過ぎていることもあるはずです。今回は、練乳の賞味期限とその判断基準、賞味期限を過ぎた後も消費可能か否かについてお伝えします。また、練乳を新鮮に保つ保存のコツと、腐った練乳の見分け方についても詳しく解説するので、最後までチェックしてみてください。
練乳が持つ賞味期限について
練乳の賞味期限は開封前と開封後では大きく変わります。
- 未開封:おおよそ1年(チューブタイプ)・約2年間(缶詰タイプ)
- 開封後:1週間から2週間
練乳には糖分が多量に含まれており、そのためカビの生育が抑えられます。
未開封の状態では、練乳は保存が効く食品です。チューブタイプでは約1年間、缶詰タイプでは2年間ほどの長期間保存が可能です。
しかしながら、いったん開封してしまうとどのような容器であれ、空気に触れてしまい品質が落ちていきます。したがって、開封してしまった練乳は1週間から2週間のうちに使い切ることが推奨されます。
練乳の賞味期限を過ぎた後も安全に食べられるのか?
練乳はちょっとずつ使うために、「気がついたら賞味期限を過ぎていた」という経験をされる方もいるかもしれません。
実際のところ、練乳は賞味期限を過ぎたとしても食べることが可能なのでしょうか?このあたりの疑問について、詳しく解説していくことにしましょう。
練乳は腐っていなければ食べられる
封を切っていない練乳は、賞味期限が切れていても、腐敗していなければ摂取可能です。
封のされていない練乳の賞味期限は通常1年程度ですが、3ヶ月程度期限を過ぎてもまだ安全に食べることができることが一般的です。
それでも、賞味期限を半年以上過ぎた製品の場合は味が落ちるリスクがあるため注意が必要です。
開封後の練乳は賞味期限にかかわらず品質が早く落ちるので、できるだけ速やかに使用することが推奨されます。
練乳が腐るという現象
通常、練乳は腐りにくいものですが、腐敗した際に起こる変化についてご説明します。
- カビが生じることがある
- 固まるときがある
- 内部でガスが発生し容器が膨張することがある
- とろみが一段と増すことがある
- 脂肪成分が乳液から分離する可能性がある
練乳は水分が少なく、雑菌や微生物の増殖を抑制しやすいため、比較的長く保管できますが、開封した後や保存状態が適切でない場合には、菌の増殖が起こり腐敗に至ることもありますので、保管には注意が必要です。
腐敗が進むと、もとの白さが失われ、より濃厚なクリーム色を帯びます。また、粘りが強くなったり、ザラザラとした質感が感じられた場合は、腐敗している可能性が高いので、その練乳は摂取せずに廃棄することが賢明です。
腐った練乳を食べると、食中毒のリスクがあり、次のような症状が現れることが考えられます:
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
- 頭痛
これらの症状が起こった時は、水分をしっかり補給し、迅速に医療機関での受診をお勧めします。
【常温】練乳の保存方法について
未開封の練乳は、適切に常温で保存することが可能です。ただし、常温での保存の際には、いくつかの重要なポイントを抑えておく必要があります。
- 直射日光の当たらない場所を選ぶ
- 高温や多湿の環境を避けて保管する
未開封であれば練乳は空気に曝されることなく、安心して置いておけます。だが、直射日光や高温多湿の環境下では、練乳の劣化が早まり、風味が損なわれる恐れがあるので、これらの条件は避けることが肝心です。
開封後の練乳は劣化のスピードが速まるため、冷蔵保存することが推奨されます。また、冷凍保存は温度変化が原因で練乳がダメージを受けることが考えられるため、この方法は避けるべきです。
【冷蔵】練乳の保存法について
開封後の練乳の取り扱いには注意が必要ですが、特に冷蔵して保存する方法が推奨されています。缶入り練乳の場合、適切に保管する手順は次のとおりです。
- 練乳を清潔で蓋がしっかり閉まる容器に移し変える
- 容器を密閉し、冷蔵庫内に収納する
一方で、チューブ入りの練乳は、専用のキャップで簡単に閉じて冷蔵することが可能です。缶入りの場合は、移し替えてから気密状態を保持することが大切です。どちらの方法も、清浄な容器を使用し、空気に触れさせないようにすることで、練乳をより長期間新鮮に保つことができます。