多くの人にとって、お賽銭の金額はそれぞれの「信念」に基づいています。私の母も、昔から55円という特別な金額を選んでいます。
「もっと多くの金額を奉納してもいいのに」と思うことがありますが、母はその金額を固く守り続けています。
この間、母のこの習慣の背景について尋ねてみたところ、納得のいく答えが返ってきました。
本記事では、以下のテーマについて詳しく説明します。
- 55円のお賽銭を納める背景にある意味
- お賽銭としての55円の効果を増すべき具体的なタイミング
- お賽銭用に55円を準備する硬貨の最適な組み合わせ方
55円のお賽銭が持つ3つの深い意味
55円をお賽銭として奉納することには、以下のような意味が込められています。
- 「いつでも良いご縁に恵まれますように」との願いが込められています。
- 「幸せな後世にご縁がありますように」と祈る思いが含まれています。
- 「物事の見通しが常に良くなりますように」という希望が込められています。
このような縁起を担ぐ習慣は、特に年配の方々によって重んじられていることが多いですね。さて、それではこれら3つの意味合いについて、詳しく見ていきましょう。
「いつでも良縁を」の願い
数字「55」と聞けば、それを素早く分けて考えると面白い発見があります。この数字に込められた意味を語呂合わせで見つけ出すと次の通りです。
- 5 =「いつつ」から派生した「いつでも」
- 5 =「ご」と読むことから「ご縁」となります
これらを組み合わせることで、「いつでもご縁」という言葉が生まれるのです。これが、55円玉をお賽銭として奉納するときの背景にある「いつでもご縁がありますように」という願掛けに繋がっています。
言葉の「縁」には、人との貴重な出会い(結婚や出産など)をはじめ、さまざまな物事とのつながりを示唆する意味合いも含まれています。
たとえ厳しい局面にあったとしても、「良い縁に巡り合えますように」という希望を込めて、このようなお賽銭の風習があるのですね。
「来世でも繋がりますように」と願う語呂合わせ
日本には、語呂合わせを利用して願いを託す文化があります。この例もその一律。以下のように数字を言葉に当てはめる遊びです。
- 5=ご→「後生」(ごしょう)
- 5=ご→「ご縁」
2つを組み合わせることで「後生ご縁」という言葉ができ上がります。「後生」というのは、文字通り「次の生涯」すなわち「来世」という意味を持っています。
このフレーズは、来世で再びめぐり合えることを、今の時点から願い込める言い回しです。
特に若い世代の方々にはまだ感覚が掴みにくいかもしれませんが、人生の終わりが見えてきた人々にとっては、深い想いが込められた願いなのではないでしょうか。
「見通しが良くなる」と言われる硬貨
55円のお賽銭に使われる硬貨、5円玉と50円玉には共通点があります。それは、両方の硬貨の中心に穴が開いているという点です。
この特徴を持つ硬貨は、「見通しが良い」という意味合いを持ち、運気が上がるとされているのです。
まるでエスパーのように「先が見通せる」と考えることで、さまざまな局面でプラスの効果が期待できるわけです。例えば:
- 景気の流れを予測し、先々の投資やビジネスからの撤退を見極めること
- 健康の状態を顧み、病気や体調の変化を前もって察知して必要な休養や検査を行うこと
このように、金銭的な側面や健康面で不運を回避する手助けとなると考えられているのです。
午後に投じると願いが叶いやすい55円のお賽銭
午後の時間帯にお賽銭として55円をささげることで、その効能が増強されると言い伝えられています。
おそらく、この風習は単なる語呂合わせによるものでしょう。
多くの方がお正月の初詣には午前中に足を運ぶ傾向にありますが、もし午後に参拝する機会があれば、55円のお賽銭を特別に用意することに意味があるかもしれません。
55円のお賽銭の硬貨組み合わせガイド
お賽銭として55円を準備する方法には、いくつかの硬貨の組みわせが考えられます。
特に5円玉は「御縁」という意味合いを持ち、5円玉を11枚用いて55円とするやり方が好ましいとされています。
しかしながら、硬貨には色の違いがあり、一般には以下のような分け方がされます。
- 白色の硬貨:
- 1円玉
- 50円玉
- 100円玉
- 500円玉
- 赤色の硬貨:
- 5円玉
- 10円玉
これらの硬貨はどの神社やお寺にお賽銭を奉納するかによって、使い分けるのが適切だという意見もあります。
神社と鈴の意味合い
一般に神社に設置されている鈴は、男性性のシンボルと捉えられがちです。
男性を色にたとえる際には「白」が相応しいとされ、そのため神社においては白色を連想させる硬貨が好ましいといわれています。
これに従うなら、赤みを帯びた5円玉を避け、より白性を強調する硬貨を選ぶべきでしょう。
お寺のご利益を高めるお賽銭の工夫
お寺の境内に位置する鰐口は、しばしば女性のシンボルとされており、女性を象徴する色である「紅」が推奨されます。
そのため、神聖な場である神社においては、紅らしい赤みを帯びた硬貨をお賽銭として捧げるのがふさわしいとされています。
そして、特に豊かなご利益を求めるならば、合わせて55円(ご縁があります)を赤い硬貨のみで用意すると良いでしょう。適した組み合わせは以下の通りです。
- 5円玉を11枚用意する
- 10円玉を5枚と5円玉を1枚の合わせ技
この2つの組み合わせの中から選ぶことで、お寺への参拝がさらに神聖なものとなります。
お賽銭Q&A
ここで、お賽銭に関するよくある質問について、解説をいたします。
縁起の良いお賽銭の金額とその意味
55円だけではなく、縁起を担いだ様々な金額のお賽銭があります。以下に、それぞれの金額と語呂合わせをもとにした意味を列挙します。
- 5円(5円玉1枚):良いご縁が結ばれるように
- 10円(5円玉2枚):何度も良いご縁が訪れるように
- 11円(5円玉2枚+1円玉1枚):一層の良いご縁を願って
- 15円(5円玉3枚):充実したご縁を望む意味で
- 20円(5円玉4枚):ご縁が倍になることを祈ります
- 21円:結婚や恋愛がずっと続くように
- 22円:二度の良いご縁が訪れるように
- 29円(5円玉5枚+1円玉4枚):幸運が舞い込むように
- 31円:21円と同じく恋人同士が別れずにいられるように
- 35円(5円玉7枚):繰り返し良いご縁があるよう祈願して
- 40円(5円玉8枚):末広がりの幸せを願って
- 41円(5円玉8枚+1円玉1枚):始めから終わりまで良い関係が続くように
- 45円(5円玉9枚):終始ご縁に恵まれることを祈念して
- 125円(5円玉25枚):十分以上の良いご縁がありますように
- 415円(100円玉4枚+10円玉1枚+5円玉1枚):常に良いご縁がありますように
- 485円(100円玉4枚+10円玉8枚+5円玉1枚):あらゆる方面から幸せがやってくるように
- 1万円:円満な解決や成就を願って(円万を逆さにして「円満」になることから)
避けたいお賽銭の金額について
ご神前にお賽銭を奉納する際、たまたま不吉な金額を投げてしまうと、それは気の毒なことです。そうならないように、以下の金額はちょっと控えてみましょう。
- 10円(10円玉1枚):遠縁になる意味があるといわれています。
- 33円:とうてい良い年にはならないとされている。
- 65円:良い縁に恵まれないとのこと。
- 75円:全く縁がないとされる金額。
- 85円:やはり縁がない、とされる。
- 95円:これでも縁がない、苦しい関係が生まれるかもしれない。
- 500円(500円玉1枚):これ以上の効果は期待できない、「お金(硬貨)以上はない」に通じる。
まとめ: お賽銭の55円の意義
55円という額をお賽銭として奉納する背景には、現在も未来も、何時になっても幸福なご縁が訪れますようにという想いが込められています。
さらに、人生の先行きに対する不安を抱える人々が、将来についての見通しを持つことができるよう願掛けも込められているのです。
この55円を構成する硬貨の組み合わせには複数の方法がございます。従って、お参りされる神社やお寺によって、相応しい硬貨の組み合わせを選ぶことができます。
その日の気持ちに合わせて、お賽銭の硬貨の組み合わせを考えてみるのも良いでしょう。