薪を売る事をビジネスにするのは可能です。しかしかなりハードルが高いビジネスと言えるでしょう。
薪の需要はきちんと定期的にあるのですが、ハードルが高いと言われる理由として、原木の確保が大変、道具が高いというのがネックになっています。
まず必要になってくるのは、原木の確保、道具の用意、販売ルートの確保から始めます。そして売るとなると、知人のつてや、手軽なのがネットのフリマサイトやオークションサイトと言われています。
そこで今回の記事では、
- 薪の販売は稼げるの?副業や定年後の職業としてはどう?
- 薪の販売を個人で始める方法とは
- 実際にやっている人を調査してみた!薪販売を個人でやっている人の実情とは
ということを紹介していきますので、副業で薪を売ることに興味のある人は、最後まで読んでいただくと始める方法が分かりますし、やれるかの判断ができますよ。
薪の販売は稼げるの?副業や定年後の職業としてはどう?
薪を売る事をビジネスにするのは可能です。
ただしハードルが高いビジネスと言えるでしょう。
まず、薪自体の需要は意外とあります。
「薪ストーブ」「ピザ窯」「キャンプ場」「バーベキュー」「パン屋さん」などに使用するので使う場所では常に必要とされているのです。
ではなぜハードルが高いかというと次の理由が挙げられます。
- 原木の確保が大変
- 道具が高い
原木の確保が大変
薪を作るには原木が必要です。
この原木を確保する事がまず課題になります。
原木自体も普通に手に入れるとタダでは手に入りません。
場合によっては原木を手に入れる値段=薪の販売価格程度になってしまう事もあります。
そうした場合は全く利益が出ず、ビジネスとして成り立ちません。
原木をまずは安価、またはタダで確保する事が第一条件です。
そのためには次の方が成功している場合が多いです。
- 林業関係者
- 山を持っている人、もしくはその知人
こういう方は職業上や土地の関係上原木をタダでゲットできる可能性大。
処理に困る場合はタダで譲ってくれる事もあるのです。
薪ストーブファンの皆さま、お待たせしました
薪の原木差し上げます!
一昨日、頑張って90センチ級の欅を玉切りにしました
長さは約35センチ
根性ある人はこのまま、体力に自信のない人はチェーンソーで分割してからの薪割りをお勧めします
会社敷地内なんで、希望者は連絡下さいませ。 pic.twitter.com/q1GtIxiAKg— 空輪太郎 (@SoranoTriconbit) May 12, 2020
そうでない方は原木をどうにか他の方法で手に入れる事を考えないといけません。
林業関係に限らず木材の処分には費用が掛かります。
そのため、処分に困っている木材を引き取るというのもチャンスなので、次のような場所に自分がもらってもよいか聞いてみると良いでしょう。
- 公園等の伐採した樹木について市町村に聞く
- 木工店の端材などの処分について
それらの他にも、流木を拾い集める等の方法もあるようです。
どちらにしてもまずは原木の確保が難しいというハードルを越える事が第一になります。
道具が高い
薪を作るための道具はプロ仕様のものであると一つ10万円近くはします。
最低限必要な道具の中でも高価なモノはこちら!
- チェーンソー
- 撒き割り機
- 軽トラ
それなりに薪を量産するにはどんなに安いモノで揃えてもこれら全てで50万円ほどします。また、これらの維持、メンテナンス費も発生します。
そうした事から、基から道具を持っている場合でもない限り、この費用が初期参入の邪魔をするのです。
個人で始めるとなるとちょっと足踏みする値段ですね。
可能性も大いにある薪販売の副業
しかし、かといって副業として不向きとは言い切れません。
実は薪販売はネットオークションなどでも集客ができるのです。
そのため、全国に顧客がいる可能性があります。
また、薪にする木材の種類によってはとても需要が高いモノもあり、高値で取引される場合も。
初期投資が大きい事や原木の確保が課題になりますが、売り方次第ではそのハードル分の稼ぎを出してくれる可能性も持ったビジネスです。
薪の販売を個人で始める方法とは
薪を販売するための具体的な方法についてまとめてみました。
薪販売についての詳しい情報はこちら!
- 薪販売をするための準備
- 薪販売するための情報とは?
- 実際に売る方法と値段等
- 販売用の薪の保管方法
薪販売をするための準備
薪を販売するための準備に必要なものはこちらです。
- 原木の確保
- 道具の用意
- 販売ルートの確保
原木の確保
まず、原木をタダもしくは安く仕入れるルートを確保する事が必要になります。
林業や木材加工の知り合いなどに頼み譲ってもらうルートを確保しましょう。
もし知り合いにそのつてが無い場合は飛び込みで廃棄する木材をいただけるか交渉をするしかありません。
また、大規模に副業しない場合は流木を拾い集める等の方法を探しましょう。
注意点は他人の管理している土地や山での薪拾いを勝手にしない事です。
道具の用意
道具に関しては「チェーンソー」、「薪割り機」、「軽トラ」の他にも「タガ」が必要です。
「タガ」とは薪を複数持ち運ぶために周囲を撒いて締め付ける金属製輪の事。
針金で作成可能でYouTubeでも作成方法の動画があがっています。
このタガを作るための「針金」、「工具」が必要になります。
また、作業時に身に着ける「作業着」や「手袋」、「保護具」も怪我防止に用意した方が良いでしょう。
販売ルートの確保
薪を生産し続ける算段が付いたら販売ルートを確保する事が必要。
これが出来れば定期的に薪を卸して収入が確保できます。
知り合いに薪を使う業者や個人を紹介してもらえればいいのですが、そうでない場合はネットオークションで試しに薪を販売してみましょう。
オークションで購入してくれた人がリピートしてくれれば販売ルートの確保完了です。
ネットオークションは全国にチャンスが広がるのでオススメです。
ただし、送料が発生してしまい発送者が負担する場合が多いので利益はその分少なくなってしまうデメリットがあります。
薪販売するための情報とは
薪を販売している場合、薪について次の情報を表示すると良いでしょう。
- 薪の写真
- 木の種類
- 乾燥状態(芯の水分率)
- 販売サイズ
- 産地
- 支払方法
- 発送方法
- 販売価格
- 送料について
これらの情報をしっかりと明示して売りましょう。
薪に関しては重さで売るのではなくサイズで売るのが一般的です。
これは水分の含有量によって重さが変動するため。
しっかりと取引相手がわかるように情報を明示して商品をアピールしましょう。
実際に売る方法と値段等
より薪を高く売りたいのであれば針葉樹よりも広葉樹の薪の方が高く売れます。
広葉樹と針葉樹の薪として用いられるものはこちら!
- 広葉樹:ブナ、ナラ、クヌギなど
- 針葉樹:スギ、ヒノキなど
広葉樹の薪は針葉樹よりも火の持ちが良いため少ない量で長く燃焼します。
そのため値段も数段高くなるのです。
針葉樹は着火の際に便利で火力も強い傾向があります。
次に売る方法では最も手軽なのがネットのフリマサイトやオークションサイト。
知人などの伝手を使って販路を探る場合以外はこの方法が一番でしょう。
大手サイトの、同じ種類の薪(120サイズ段ボール入り)の相場を比べてみましたので参考にしてみて下さい。
- ヤフオク:2,000円程度
- ラクマ:2,500円程度
- メルカリ:2,000円程度
全て送料込みの値段です。
ほとんど相場に差はなく、ラクマが若干高価に売れていました。
まずは自分が使いやすいサイトを使い販路を広げてゆきましょう♪
販売用の薪の保管方法
販売用の薪はある程度乾燥させてから販売する必要があります。
薪の保管する場所は「日当たりが良く風通しが良い」場所が一番。
また、雨ざらしになるとカビが生えてしまう事があるので、できれば屋根をつけておく方が良いでしょう。トタン屋根を自作するのが一般的です。
薪の積み方もそれぞれの隙間に風が通るのがベスト。
このように保管するアイテムも売られています。
#FIELDOOR ログラック/薪ストッカー 【ワイドタイプ 幅205cm】
薪ストーブや焚火などで使う大量の薪を安全に保管可能なログラック。
通気性も確保できるので薪の乾燥にもオススメのアイテムです。#キャンプ購入・詳細はこちら➡https://t.co/nlOTawBhRR pic.twitter.com/QK02lZHxH7
— アウトドアギアPRESS-田中 / 焚き火大好き・キャンプごはん、DIY挑戦中 (@T_HotBox) January 31, 2023
実際にやっている人を調査してみた!薪販売を個人でやっている人の実情とは
では実際に薪の個人販売をしている人の実情をご紹介します。
- 林業の傍ら薪の販売を副業とする場合。
- 流木を売る場合
林業の傍ら薪の販売を副業とする場合。
このパターンの副業展開が一番多いのではないでしょうか?
薪を生産していて副業にする人は「薪ストーブ」などに自分で使っている人が多いです。
薪ストーブの燃料になる薪は購入もできるのですが、林業などで原木を手に入れられる方は自分で薪を作ります。そんな薪が余るので販売を考える訳です。
この副業のパターンはとても参入も楽ですね。
何せ原木の手配もルートがあるし、道具もすでに揃っている。
そして、販売ルートも知人の紹介などで確保できる場合が多いです。
薪を販売する場合、自分で輸送して卸す事が多いでしょう。薪の値段は2トントラック1台分すべて売れて約10万円。販売ルートを確保できればこの量の薪を手配~販売を1名で行うと約3日。1日あたり約3.3万円の収入になるのです。
(ただし、これは原木の確保と薪の販売がコンスタントにできる場合のお値段です。)
薪の需要が1年中十分にあるわけではないので、飲食店などの大口の取引先を確保する事が成功の秘訣になるでしょう。
また、健康を維持する事もとても重要!
この仕事は体が資本ですから、ケガやぎっくり腰などで仕事を休まない事もとても大切です。
流木を売る場合
実は流木を拾って売るというビジネスで月約5万円稼ぐ人もいます。
流木はどちらかというと薪として使用するのはごくわずか。
ほとんどの場合はオブジェや家具の材料、そして熱帯魚の水槽に入れるための用途があります。
販売先は「熱帯魚ショップ」「ネイチャー家具屋」「ネットショッピング」などです。
熱帯魚のために使うには一度真水で煮て「アク抜き」すると値段も上がります。
この副業は、流木を拾う場所さえあれば定期的にめぐり、拾って販売するだけなので薪を作るよりは楽な副業です。
流木が落ちている海や河川敷は個人の土地ではないので流木を拾っても罪に問われる事はまずないでしょう。
一応確認をしてから流木を拾うようにしてください。
モノによっては1個の流木が5,000円程度で売れる事もあり、宝探しのような楽しい副業です。