トマトとジャガイモを接ぎ木としたものが実際に販売されています。
昨今市場にも出回りその名称を耳に挟んだこともある人は多いであろう「遺伝子組み換え野菜」とは異なり、人の手により接ぎ木され市場に出された野菜です。
「トムテト」と呼ばれるその野菜は、イギリスの園芸通販会社「トンプソン&モーガン」社が15年の歳月をかけて発売しています。
地上ではトマト、地下にはジャガイモが収穫できるなんて夢のような野菜ですよね!
この記事では、
- トマトとジャガイモを接ぎ木に出来るって本当!?
- 知っておきたいハイブリッド野菜のこと
- 果物では当たり前?接ぎ木で作る新品種
といった内容をまとめてみました。トマトとジャガイモを接ぎ木にした「トムテト」について気になっている方には参考になるので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
トマトとジャガイモを接ぎ木に出来るって本当!?
トマトとジャガイモを接ぎ木としたものが実際に販売されています。
昨今市場にも出回りその名称を耳に挟んだこともある人は多いであろう「遺伝子組み換え野菜」とは異なり、人の手により接ぎ木され市場に出された野菜です。
「トムテト」と呼ばれるその野菜は、イギリスの園芸通販会社「トンプソン&モーガン」社が15年の歳月をかけて発売しています。
【RT300UP】 おいしいトマトとジャガイモが両方なるハイブリット苗木。「トムテト(TomTato)」 https://t.co/lP6DRTHZuI pic.twitter.com/8aOPIYBgqj
— カラパイア@不思議と謎の大冒険 (@karapaia) September 1, 2021
遺伝子組み換え野菜は数あれど、味覚面で食用としては物足りずあまり普及は進んでおりません。
しかしこの接ぎ木による「トムテト」は味覚面も申し分なく、トンプソン&モーガン社曰く市販の大半のトマトよりも甘く他のトマトが食べられなくなる美味しさ!とのことです。
またジャガイモも同社によれば白くてどのような料理にも適した美味しいジャガイモ、とのことです。
地上ではミニトマトが成っているが、その根元にはジャガイモも育っている・・・というのが「トムテト」の特徴、まさに一石二鳥を体現している野菜といえますね。
なお学術的にもトマトとジャガイモは同じナス科ナス属の為、適合することには何ら不自然ではないそうです。それにしても15年の歳月は長いですが。
そんな一石二鳥の便利野菜「トムテト」以外にも、世の中には遺伝子組み換えではない混合種、いわゆるハイブリッドな野菜は様々存在しています。
知っておきたいハイブリッド野菜のこと
トムテトを開発したトンプソン&モーガン社では、「エッグアンドチップス」と呼ばれるハイブリッド野菜も開発しています。
エッグは卵ですが、卵ではなくナスとジャガイモの混合種となります。地上ではナスが成り、地中ではジャガイモが成っているというハイブリッド野菜となります。
『エッグアンドチップス』
地上で「ナス」
土の中で「ジャガイモ」
が一緒にできる野菜がある#アンケート #トリビアの里— トリビアの里 ☆雑学&アンケート (@questionnaire66) March 30, 2019
ナスは英語でエッグプラント、ジャガイモと言えばポテトチップスなのでエッグアンドチップス、という名称となったそうですが、こちらも数年かけてお互いの接ぎ木を繰り返し商品化に成功したそうです。
と、海外での事例をお伝えしましたが、実はわが日本でも様々なハイブリッド野菜が開発生産されているのをご存知でしょうか?
まずは奈良県フラワーセンターで作られた「キャベコン」。これは根はダイコン、葉がキャベツとなっており、接ぎ木の技術により開発されたものです。
珍百景に親戚出ました(キャベコン) pic.twitter.com/hQzQskPkHe
— まち (@machi0206) October 10, 2021
てっきり市販されていると思いきや、接ぎ木成功率が低いことから市販には至らず、同センターの訪問者を楽しませる展示品として育成されているそうです。
その他、ダイコンにブロッコリーを接ぎ木した「ブロッコン」、ブロッコリーとカリフラワーを合わせた「ブロッコフラワー」、白菜とキャベツを合わせた「ハクラン」等様々なハイブリッド野菜が開発されています。
味覚や安定的な成長をするか、というのが市販される条件といえ、まだまだハイブリッド野菜は市中に出回るまでにハードルは高そうですが、実は果物では接ぎ木などによる交配での品種開発は当たり前のように行われています。
果物では当たり前?接ぎ木で作る新品種
例えばグレープフルーツも、もとは「ブンタン」と「オレンジ」が自然に交配してできたものです。自然にあの味が出来たのは奇跡としか言いようがないですね。
そして様々な果物同士を掛け合わせて新しい味覚を生み出す試みは様々行われています。
グレープル
見た目はリンゴ、しかし味はブドウ、その名もグレープル。カットするまではまんまリンゴなのですが、食べるとブドウの味が口の中に広がる何とも不可思議な果物です。
バナップル
「甘熟王」ブランドを展開するスミフルジャパンが発売していた「リンゴの味わいのバナナ」です。残念ながら2018年には販売終了しましたが、その味わいに衝撃を受けた人は多数いたそうです。
その人気を受け、同社ではバナップルの後継として「キウイの味わいのバナナ」とした「キウイ―ナ」を発売、こちらも人気の商品として現在も発売されています。
異種果物を掛け合わせた様々な新品種、スーパーなどで見かけたら一度は経験してみるのも良いのではないでしょうか。