上司に「あとお願いね!」「これ、よろしくお願いします」などという風に言われたとき、あなたは「了解です!」と返していませんか?この返事はNGです。
上司に「よろしくお願いします」と言われた時の正解は、「はい、わかりました。」「承知いたしました」という返事をしましょう。
丁寧語を使っているだけで敬語になっていると思っていませんか?
今回の記事では、
- 上司に「よろしくお願いします」と言われた時はどう返事を返す?
- 上司や取引先への返事に「了解です」は厳禁?
- 上司へ返事で守るべきポイントとメール例文
を紹介していきますので、改めて自分の上司に対する言葉使いを見直していきましょう。
上司に「よろしくお願いします」と言われた時はどう返事を返す?
例えば、上司に仕事を依頼されて、「よろしくお願いします」と言われた時、あなたはどう返事をしていますか?
多くの仕事の現場で聞かれる返事が「了解しました」です。
しかし、厳密にいえばこの「了解しました」は上司に対する返事としてNGですし、そもそも敬語の使い方として間違っています。上司が部下に「了解です」というのはOKです。
「了解いたしました」と語尾を丁寧にすると解決するというわけでもなく「了解」という言葉自体が目上の人に使う言葉としてふさわしくありません。
LINEスタンプには「敬語編」がたくさんあるけれど間違っているものが多いことが気になる。若者が気軽に使えるので間違って覚えてしまう可能性が大きい。特に気になるのが「了解」とか「了解しました」。「敬語」として目上の方に使うと不快に思われてしまうので不適切。#日本語 #敬語 #LINEスタンプ pic.twitter.com/nscFU334BT
— ミエール・デキール (@mierudekiru) June 4, 2020
上司に「よろしくお願いします」と言われた時の返事の正解は以下の通りです。
- 「はい、わかりました」
- 「承知いたしました」
- 「かしこまりました」
です。
ただ、昨今の職場では、上司自体も「了解しました」という言葉で問題を感じておらず、正しい指摘をすることも無くなっていますので、仕事をする中で間違いに気づく人はかなり少ないでしょう。
そこで、あなただけがしっかり知っていて対応していれば、上司から一目置かれるかもしれません。
また、上司に「こちらこそよろしくお願いします」と伝えたい時、「こちらこそ」というのに違和感を感じる人がいます。
「こちらこそよろしくお願いします」でも間違いではありません。しかし、気になるなら以下のように言い換えをしてみましょう。
- 「とんでもございません。こちらこそよろしくお願いいたします」
- 「任せていただいて光栄です。こちらこそよろしくお願いいたします」
等、一言付け加えることで丁寧な言い回しになるでしょう。
上司や取引先への返事に「了解です」は厳禁?
「了解」というのは、漢字の成り立ちからわかるように、理解して「承認すること」を表します。
意味としては、「わかりました」と同じ意味ではあります。
しかし「承認する」と考えると、やはり上司や取引先などを相手に使うのは良い言葉と言えません。
「了解」という言葉は、立場が上の人が、目下の人に使う言葉だということです。
ビジネスの場で、「了解です」は言葉使いとしてなっていない!などと叱責を受けるほどのことではありませんが、フランクな印象は与えてしまいます。
実際、上司自身が気にしていないというケースが多いですが、中には言葉使いで人を見るという方もいます。特に立場が上であれば上の人ほどそうかもしれません。
ただ、直接言葉にして叱責はしないとしても、もし正しい敬語を使っていれば、黙って評価してもらえることもあり得ます。
また、上司もそうですが、取引先の人も同様です。
取引先の人にも、「了解です」はNG。
敬う気持ちを込めて、「承知いたしました」「かしこまりました」を使う方が無難です。
使い方をいくつか例文でピックアップします。
- 「時間変更の件、承知いたしました。必ず間に合うように参りますのでよろしくお願いします。」
- 「かしこまりました。明日19:00までに提出いたします。」
- 「承知いたしました。わざわざ出向いていただいてありがとうございます。」
- 「かしこまりました。今後ともよろしくお願いいたします。」
上司へ返事で守るべきポイントとメール例文
返事というと「はい」「わかりました」で充分な気がします。
しかし、上司の立場からすると、「はい」「わかりました」と言われても不安に感じる事があります。「本当に理解しているのかな?」「嫌々なのかな?」という風に考えてしまうこともあります。
上司や目上の人への理想の返事の守るべきポイントは「言い方」と「+アルファ」です。
返事の言い方
「はい」「わかりました」と、同じ言葉を使っても、小さな声で言う、不服な顔をして言う、全然違う方向を見て言うというのだと、受け手側の上司は心配になります。
取引先相手だと、不安になるのももちろん、「この人と仕事をしたくないな」と思わせてしまうこともあります。
返事をするときには、しっかり相手の目を見てはっきりした活舌、笑顔で伝えるようにしましょう。
叱責の後の返事なら、笑顔でなく真剣なまなざしで返事をします。
返事には「やる気」のような気持ちが感じられます。
同じ言葉で返事するなら、相手が気持ち良いと思う返事の仕方をしましょう。
返事+アルファ
社会人になると、学生の頃とは違い、ただ「はい」や「わかりました」では、正直不十分です。
プラスアルファの言葉を一言付け加えるだけで、上司や取引先からも「感じがいいな」「信頼できそう」と思ってもらうことができます。
以下のようなプラスアルファを使ってみてください。
- 「わかりました。ご指導ありがとうございます。すぐに取り掛かります」
- 「はい、かしこまりました。10時にアポがあるので、11時より取り掛かります。」
- 「わかりました。14:00に〇〇会社の〇〇様宛に電話をしておきます。」
- 「かしこまりました。明日の11:00までに提出いたします。」
いかがですか?言われた方としては安心かつ信頼できる気持ちになりませんか?
いつ、どのようにして、何をするのかというのが返事の後に入っていたら、任せた方はとても安心できます。
さらに、「しっかりしているな」「ちゃんと理解しているな」という印象も与える事ができるでしょう。
上司からメールが来たときの返事
まず上司とメールのやり取りをする上で心得るポイントを紹介します。
- そもそもメールで良いのかまずしっかり考える
- 件名で内容がわかるようにする
- 内容は結果から書いて、シンプルにまとめる
- 正しい敬語を使う
- 誤字脱字に気を付ける
そもそもメールで良いのかまずしっかり考える
昨今、直接話すよりメールやラインがスムーズだということで、顔を突き合わせないことも増えてきました。
確かに上司としても、貴重な時間を奪われたくはないので、メールだとスムーズに感じることもあります。
しかし、時と場合によるということを念頭においてください。
大事な取引先との話、至急の内容であれば、メールより話したほうが早いし、状況もよくわかります。
緊急でもなく重要でもない話なら、メールにするという風に、使い分けをするのが大事です。
まず最初に、これはメールでOKな案件かどうか考えましょう。
件名で内容がわかるようにする
上司は仕事が忙しいこと、そしてメールも一日何十件、何百件捌いている状況があれば、なるべく手を煩わせたくは無いですよね。
上司へのメールは件名を見れば、大体内容がわかるようにしておくと良いでしょう。
そうすると見ている上司は、メールを後回しにするか、すぐ見るかなど判断が付くのです。
「〇〇商事様との1月10日の打ち合わせの件」
「【重要】株式会社〇〇からの見積もりの件」
「【1月末期限】〇〇会社からへの提案プレゼン」
等という風に記載しておくと、見るほうが、いつ見るか判断できて助かります。
これは上司だけでなく、取引先にも使えるポイントです。
内容は結果から書いて、シンプルにまとめる
メールの文文章の内容も、なるべく簡潔にまとめましょう。
内容のはじめは、結果から書いてその後にエビデンスや理由を書くようにすると良いですよ。
口頭での報告もそうですが、基本上司と話す時には最初に「結果から」が鉄則です。
結果:本日クレームがありました。いったん解決しています。
内容:〇時に来店いただいたお客様から「~」というクレームがありました。私から謝罪し、改めてお詫びに伺う旨をお伝えしております。
正しい敬語を使う
基本中の基本ですが、正しい敬語を使ってメールを送りましょう。
〇お疲れさまです
×ご苦労さまです
〇拝見しました
×確認しました
〇申し訳ありません
×すみません
特に最後は、「すみません」も敬語のうちですが、あくまでも「口語表現」であり、文章で使う言葉ではありません。
誤字脱字に気を付ける
こちらも基本中の基本ですが、誤字脱字には充分に気を付けましょう。
気づかないうちに間違っている場合もありますので、メールがすべてできたら、再度最初から最後まで読みなおしをしてみましょう。
上司からのメール返信例文
上司に送るメールの例文を作ってみましたので参考にしてください。
件名:〇月△日14:00 □□□会社様との打ち合わせの件
お疲れ様です。
メールありがとうございます。
〇月△日14:00□□□会社様との打ち合わせで見積もりが必要とのことでかしこまりました。
〇日18:00までに見積もりを仕上げ、課長のデスクに置いておくので、出張からお戻りになったら確認よろしくお願いいたします。
件名:プレゼンの件
お疲れ様です。メール拝見いたしました。
次回のプレゼン、任せていただけるとのことで、心から嬉しく思います。
課長に頂いたこの機会を無駄にせず、必ずプレゼン通るように尽力します。
プレゼン資料のアドバイスをいただきたいので、またお手すきの時にお時間頂けますと幸いです。