里芋の茎や葉は食べられない品種と食べられる品種がありますが、食べられても基本的には加熱処理をすることを推奨されています。
葉や茎を食べられる代表的な品種が以下の通りです。
- ヤツガシラ
- 白ダツ
- ハスイモ
ただし食用に適していても、里芋の茎には微量ながら食中毒の原因物質「シュウ酸カルシウム」は含まれ、処理を間違えると食中毒になる可能性もあります。
今回の記事では、里芋の茎の食べられる種類とダメな種類、生の芋のあく抜きの方法や茎の調理の仕方などを紹介していきます!
里芋が好きで茎なども食べたいけど心配、里芋を食べたいけど茎が食べられるのか品種を見分けたい人は、この記事で知識を得て里芋を余すことなく楽しんでください。
里芋の茎って食べる事ができるの?食べられるの種類と駄目な種類とは?
里芋の茎や葉は食べられない品種と食べられる品種があります。また食べる際は、基本的に下処理や加熱をすることが推奨されています。
その理由は里芋の中に含まれる「シュウ酸カルシウム」と言われる成分です。この成分は食べると結晶化して刺さるためとても痛く食中毒の原因物質になっています。
観葉植物のクワズイモも里芋の仲間ですが、この毒素の含有量が多く食中毒を引き起こします。
【注意】里芋に酷似「クワズイモ」食べて食中毒 大分の女性、口に激痛https://t.co/DbISqdGnzp
シュウ酸カルシウムが針状の結晶となって含まれており、誤って食べると口の中に結晶が刺さり強い痛みを感じる。葉柄は里芋と酷似しているが、葉の色が濃く光沢がある点で違いがあるという。
— ライブドアニュース (@livedoornews) November 6, 2021
実は日本にある里芋は200種類以上あるとされています。それぞれの品種で含まれるシュウ酸カルシウムの量が違います。
基本的に茎を食べる品種は決まっており、シュウ酸カルシウムの含有量がとても少ないです。
そのため、下処理によって人体に無害なレベルにシュウ酸カルシウムの量を減らす事が出来ます。
ずいきなど茎を特殊な処理をして食べる料理がありますが、食べる品種を間違えて食中毒を起こす事例もあります。
ズイキのアク成分であるシュウ酸カルシウムの説明より。
「生のサトイモの茎や葉にも多く含まれており、誤って摂取した際、突き刺さるような刺激を口内に受けることになる(乾燥していないサトイモの茎を食用に調理できるものは、特別に品種改良されたものに限られる)。」https://t.co/cF21SpaOzF— いよかん (@iyokanmikan) November 23, 2020
では、里芋の茎を食べるのに適した品種はどういったものでしょう。
代表的なものをご紹介します。
- ヤツガシラ
- 白ダツ
- ハスイモ
ヤツガシラ
おせち料理によく使われる里芋です。
芋がとても大きく頭が八つもついているようなのでこの名前が付きました。
茎が赤く、赤ずいきとして食べられます。
白ダツ
ヤツガシラなどの品種を遮光する事で軟白培養したものをいいます。
白く育っており白ずいきとして出回っています。
ハスイモ
青い品種で青ずいきと呼ばれています。
ハスイモは根の部分が大きくならず茎の部分を食べる事に特化した品種です。
基本的に市販されている茎を食べる事を前提としたこれらの品種を食べましょう。
自宅で栽培している里芋の茎を調理して食中毒に苦しむ事例は多くありますのでご注意を!
生の芋茎のあく抜き方法とは?
実は食用に適した品種でも里芋の茎には微量ながら食中毒の原因物質「シュウ酸カルシウム」は含まれ、処理を間違えると食中毒になることもあります。
シュウ酸カルシウムは独特のえぐ味があり、基本的に下処理(あく抜き)をする必要があります。具体的なあく抜き方法をご紹介します。
- 酢水を使う
- 重曹
- 大根おろし
- 乾燥ずいきの戻し方
酢水を使う
酢を使う事で短時間であく抜きをすることができます。
方法は茎の皮をむき酢水に浸けて冷蔵庫で1時間放置します。
その後酢水を捨て、酢を加えて煮沸させた湯で2分茹でて下さい。
茹で汁を捨てたら、あくが完全に抜けて調理に使用できるようになっています。
重曹
皮をむいた里芋の茎を水にさらした後に少量の重曹を入れた煮沸したお湯でゆでます。
重曹はアルカリ性のためシュウ酸カルシウムを中和する作用があります。
大根おろし
大根おろしもアルカリ性のため、おろし汁に水を加えたものに皮をむいた茎を入れて漬けた後に、煮沸させた湯でゆでる事でもあく抜きできます。
ただし手間がかかるので、面倒なら他の方法を使いましょう。
乾燥ずいきの戻し方
ずいきは生のものでなく乾燥された状態で売られている場合があります。
水で戻すのですが、その際の処置であく抜きができます。
まず水に10~20分程度つけて戻します。しっかりと戻ったズイキを洗って絞ります。
その後沸騰させたお湯で2分程度ゆでて水分を取ればあく抜きが完了しています。
生のものよりもあく抜きが簡単です。
ご家庭でできる適した方法を探して試してみて下さい。くれぐれも里芋の茎は未処理では食べないでください。
食中毒で命を落とす事は無いですが、結晶化したシュウ酸カルシウムが刺さりとても痛い思いをします。
芋茎を漬物にして食べる方法とは?
里芋の茎は漬物としても食べられます。
代表的な漬物の作り方をご紹介します。
- くき漬け
- ずいきの酢漬け
くき漬け
三重県で食べられているものです。ヤツガシラの茎を皮をむかずに塩と赤シソ、梅酢で漬けこんだものです。下処理として、2回ほど塩でもんで絞りあく抜きをしています。
赤く着色しており食べるときは皮を剥いて食べます。細かく刻んでお茶づけにする食べ方もあるそうです。
ずいきの酢漬け
乾燥や生のずいきをあく抜きしたものを甘酢に3~4日漬けることで漬物になります。最もポピュラーな里芋の茎の漬物です。
ずいきは漬物に限らず健康にいい成分も含まれています。それは「アントシアニン」と「食物繊維」です。
ヤツガシラのずいきの赤い色はアントシアニン色素の色があります。アントシアニンは目に良い事で有名な成分ですがずいきからも摂れるのでオススメです。
また、茎に含まれる豊富な食物繊維はお通じを良くしてくれます。健康にも良い事を覚えておきましょう。
漬物に限らず里芋の茎を調理する際は下処理と品種に注意して下さい。
シュウ酸カルシウムの食中毒の危険がありうることを理解しておきましょう。